365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月

【1996年6月】アジアの純真/こんなに売れるとは…Puffy まさかの紅白辞退

[ 2011年6月23日 06:00 ]

98年9月の台湾公演で「アジアの純真」など20曲を披露したPUFFYの吉村由美(左)と大貫亜美
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 ★96年6月ランキング★
1 LA・LA・LA LOVE SONG/久保田利伸with ナオミ・キャンベル
2 愛の言霊~Spiritual Message~/サザンオールスターズ
3 You’re my sunshine/安室奈美恵
4 Real Thing Shakes/B’z
5 ALICE/MY LITTLE LOVER
6 アジアの純真/Puffy
7 チェリー/スピッツ
8 あなたに逢いたくて~Missing You~/松田聖子
9 BREAK OUT!/相川七瀬
10 いいわけ/シャ乱Q
注目ゼロから歩き出そう/ZERO
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【アジアの純真/Puffy】
 
 ソニー・レコードSD製作室のオーディションを受け、キャラクター開発部門で吉村由美が、バンド部門で大貫亜美が合格。それぞれソロデビューを目指していた2人を遊び心でくっ付けて売り出したところ、デビュー曲「アジアの純真」は、予想外の売り上げ100万枚を突破。郊外のスーパーで買ってきたようなTシャツとジーンズ姿で歌う2人の娘はひと夏にしてスターダムにのし上がった。

 20世紀のヒット曲には時代背景があるとはよく言われることだが、「アジア…」もそうだった。火が付き出したのはカラオケがきっかけ。全国各地に広がったカラオケボックスで女子高生らが歌うことによって、CDシングルの売り上げが伸びるという現象が起きた典型的なパターンだった。

 NHK「紅白歌合戦」の出場は確実視されていたが、なんと先約があり辞退した。テレビ神奈川の年末の年越しライブに生出演が決まったのは9月のこと。「売れたとはいえ、まさかいきなり紅白はない」と判断して先に仕事を入れてしまったが、NHK側からオファーがあったときは、先約をキャンセルできない状況だった。

 1曲で終わるはずの企画ユニットは大ブレーク。「このまま放置したんじゃ無責任。なんとか食べさせていかないといけないから」とプロデュースした奥田民生。セカンドシングル「これが私の生きる道」を10月にリリースすると、「アジア…」を上回る大ヒット。もう後には引けず、2011年で結成から15年の歴史を刻んだ。

 ユニット名は“パフパフ”といったかわいらしい音のイメージと“フワフワ”といった感触から付けたもので、奥田のプロデュースをしていたアンディー・スターマーが命名。「北京、ベルリン、ダブリン…」と地名から始まる奇妙な歌詞を作詞したのは井上陽水。韻を踏んだことによって、一度聞いたら忘れないインパクトの強い詞となったが、タイトルにも陽水の願いが込められていた。

 「アジアで一番輝く星になれ、と思って作った」と陽水。その願いどおり、秋にはアジア各地でCDの発売が決定。人気も爆発し、アジアを飛び越え、米国でもテレビ番組が制作されるほどのビッグスターとなった。

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