365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月

【1991年6月】あなたに会えてよかった/小泉今日子 自作で初の“大台”突破&受賞

[ 2011年6月10日 06:00 ]

84年8月、初主演映画「生徒諸君」のロケでの小泉今日子
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 ★91年6月ランキング★
1 あなたに会えてよかった/小泉今日子
2 Love Train・We love the EARTH/TMN
3 情けねえ/とんねるず
4 はじまりはいつも雨/ASKA
5 Eyes to me/ドリームズ・カム・トゥルー
6 KISS/プリンセス・プリンセス
7 ラスト・シーン/矢沢永吉
8 LADY NAVIGATION/B’z
9 替え唄メドレー/嘉門達夫
10 マモー・ミモー 野望のテーマ/マモー・ミモー
注目Happy Birthday/横山知枝
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【あなたに会えてよかった/小泉今日子】
 デビュー10周年、キョンキョン33枚目のシングルにして初のミリオンセラーとなった「あなたに会えてよかった」は、自身4曲目の作詞を手掛けた作品だった。

 6月10日にオリコンチャート1位となり、5週連続キープ。11曲目の1位獲得だったが、これまでの最高セールスは「艶姿ナミダ娘」(83年)の50万枚。その倍以上となる105万枚を記録。節目を飾るのにふさわしい曲となった。

 小泉自身が出演する、TBSドラマ「パパとなっちゃん」の主題歌。「いつかは共演してみたかった」という、俳優田村正和と父娘の役で登場。平均視聴率20%に達したことがヒットの後押しをしたことは間違いない。

 歌詞は夜中に書き上げたという。特別詞の勉強をしたわけではなく、「ドラマの台本を読んでいて、内容が良かったから自然と書けた。感じたまま自然でいるのが一番。頭で書こうとしないのが良かったのかもしれない」。タイトルから推測して、誰がモデルになった人物がいると見る向きがあったが、それは否定。あくまでドラマの中で男手一つで育ててくれた父に対する娘からの気持ちを伝えたものだった。

 小泉はこの曲で第33回日本レコード大賞ポップス・ロック部門の作詞賞を受賞。大江千里、さだまさし、松井五郎、秋元康氏とそうそうたるメンバーがノミネートされたが、5人の専門委員による各5点ずつ計25点の評価では、小泉が20点を獲得し圧勝。受賞理由として審査員からは「プロの持つテクニックではないが、素直な表現が新鮮だった」と評された。

 アイドル歌手出身の女性が作詞賞を受賞する快挙に小泉は「ドラマの力」と言ったが、「新人賞をもらったような気分。すごく新鮮」と喜びを素直に口にした。

 今でもカラオケで大人気の曲だが、小泉の存在が同世代の女性に与える影響が大きかった90年代。「別れた男性に“あなたに会えてよかった”のCDや自分で歌ったテープを送る」という行為が一部で流行ったというから驚きである。

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