渡辺名人「中盤でポッキリ折れてしまった」　藤井王将の意外な封じ手に1時間6分の長考

連敗スタートの渡辺明名人（撮影・我満　晴朗）
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　将棋の第81期名人戦（毎日新聞社、朝日新聞社主催）7番勝負第2局は28日、静岡市の料亭「浮月楼」で第2日を行い、先手の挑戦者・藤井聡太王将（20）＝竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む6冠＝が防衛を期す渡辺明名人（39）を87手で下した。5、6日に東京都で指された開幕局を制している藤井はシリーズ成績を2勝とし、リードを広げた。

　開幕局に続いて雁木（がんぎ）調のスタートを選んだ渡辺は「作戦でした。一局にはなったかなと」と序盤を振り返ったが、第2日、藤井の意外な封じ手を見て1時間6分の長考に沈む。「（封じ手に）絞り切れていなかった。手が広い局面で、何が本線か考えていなかった」。この前後から構想にわずかなずれが生じていたのかもしれない。藤井が無理気味に実行した9筋の端攻めで得た香を2筋に据える鋭い攻めを見せたが「あれで先手（有効）になってなかったのが誤算だった」と省みた。

　先手だった第1局を落とし、これでシリーズは連敗スタート。3期守っている名人位防衛には苦しい星取りとなった。「本局は中盤でポッキリ折れてしまった。そのようなことのないようにやっていきたい」。第3局からの逆襲、なるか。