若狭勝弁護士 妻殺害の罪で講談社元社員の審理やり直しに私見「このままだとほぼ無罪という可能性が」

[ 2022年11月21日 19:54 ]

東京・赤坂のTBS社屋
Photo By スポニチ

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が21日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、16年に都内の自宅で妻を絞殺したとして殺人罪に問われた出版大手講談社の元編集次長・朴鐘顕被告の上告審判決について、見解や今後の見通しを語った。

 朴被告は6年前、東京都文京区の自宅で妻・佳菜子さん(当時38)の首を絞めて殺害した罪に問われている。弁護側は妻が自殺で亡くなったとして、一貫して無罪を主張していたが、1審、2審では懲役11年の実刑判決が言い渡されていた。最高裁はこの日、「高裁の審理は尽くされていない」「被告を有罪とした点には事実誤認の疑いがある」などとし、東京高裁で審理をやり直すよう命じた。

 1審は裁判員裁判で、東京高裁での2審判決は1審を支持した形になった。若狭氏は「一般的な市民の素朴な感覚で、常識的には殺害したとしか思えないという認定をした上で、有罪になった。高裁でも有罪になった」と説明。その上で「それを最高裁がこういう形で、審理が十分でないということで覆すというのが、裁判員裁判で構築してきた“市民の声を反映する”というものに対して、非常に今回はショッキングな最高裁の差し戻しの判断だったと思っております」と、驚きを口にした。

 最高裁の判断について、若狭氏は「少なくとも殺害したという証拠は十分ではないというのを、最高裁がいわば言い切っていると言っても過言ではない」と説明した。今後の高裁での審理については「新たな証拠、新たな事実が出てこない限りは、今回の最高裁の判断が今後、差し戻された時の高裁の判断に影響力、あるいは拘束力を持っていくのではないかと思います」とし、「このままだとほぼ無罪という可能性が結構、大きいと思います」と見通しを語った。

続きを表示

2022年11月21日のニュース