松重豊、漣さんと一緒に助演男優賞「日本映画を、僕らを見守って」

[ 2018年2月26日 06:00 ]

助演男優賞を受賞した松重豊(右)はスピーチで感極まる。左は大森南朋、中央はピエール瀧
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 21日に急性心不全で亡くなった俳優の大杉漣さん(享年66)が「アウトレイジ 最終章」で助演男優賞を受賞した「第27回東スポ映画大賞」の授賞式が25日、都内で行われた。審査委員長で同作監督のビートたけし(北野武、71)、共演した松重豊(55)らが登壇。最期をみとった松重は「日本映画を、僕らを見守って」と天国に呼び掛けた。

 松重は大杉さんと20日に千葉県内でテレビ東京のドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」の収録を行い、夕食後に腹痛に襲われた大杉さんを病院に運んで最期に立ち会った。ステージに上がると「僕が映画デビューした時、大杉漣さんに映画の楽しさを手取り足取り教えていただいた」としみじみと語りだした。

 大杉さんは93年公開の北野映画「ソナチネ」のやくざ役にオーディションで抜てきされて以来、「キッズ・リターン」「HANA―BI」など北野組の常連となり10作品に出演した。「アウトレイジ 最終章」では暴力団組織の会長役で存在感を発揮。この日は元々仕事の都合で欠席だったが、ビデオメッセージを寄せる予定だった。

 松重は同作で刑事を演じ、大杉さんと同じ助演男優賞を受賞。「僕も北野映画に出演することができて、こんな晴れやかな場所に一緒に立てる喜びをつい4日ほど前に千葉の海で語って…本当に残念です」と悔しさをにじませた。

 ステージにはたけしや、同作で共演し一緒に助演男優賞を受賞した大森南朋(46)、ピエール瀧(50)ら“アウトレイジ軍団”がずらり。前日24日にテレビ番組で「近い人の死はこたえる」と涙したたけしは、この日は「漣さんは残念ながら今日はいらっしゃらないけど…」と言葉少な。松重は「湿っぽいことは嫌いな漣さんなので、前を向いて頑張りたい」と言葉に力を込め「漣さん、これからも日本の映画を、僕たちを見守ってください」と天に向かって呼び掛けた。

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