講談社 アマゾンに「強く抗議」読み放題から作品削除

[ 2016年10月3日 19:58 ]

 講談社は3日、通販大手のアマゾンジャパンが展開する電子書籍の読み放題サービス「キンドル アンリミテッド」に関して講談社作品が配信停止されたことについて見解を発表。アマゾンに抗議の意を示した。光文社も同日、全550作品を削除されたことを明らかにした。

 8月3日にスタートした「キンドル アンリミテッド」に対し、講談社は1000作品以上の書籍や雑誌を提供。だが、「同サービスが展開する過程において、先日、一部報道にございました通り、アマゾン社側の一方的な事情により、同社ランキング上位に並ぶ書目が提供元の弊社に何らの連絡もなく、配信を停止されるという事態が発生」したという。

 出版関係者によると、8月中旬には、人気が集中した漫画や写真集がラインアップから外れ始めた。作品を幅広く集めようとしたアマゾンは一部出版社に対し、年内に限って規定の利用料に上乗せした料金を支払うと契約していたが「想定以上の人気で、予算が不足したために外した」と説明した。

 今回の配信停止を受け、「アマゾン社が独断でこのような配信停止措置を採り得るものではないと考えておりますし、今回のような事態を、読者の皆様や提供した書目の著作者のかたがたにご理解いただくことが困難であると考えています」とし、アマゾンに強く抗議をするとともに配信の原状復帰を求めてきた。

 それでも事態は好転せず、9月30日夜以降に講談社が提供している全ての作品が削除されたという。「このような状況に、書目を提供してきた出版社として大変困惑し、憤っております」「弊社はこの一連の事態に遺憾の意を示すとともに、アマゾン社の配信の一方的な停止に対して強く抗議いたします。サブスプリクション・モデルと呼ばれる定額のコンテンツ提供サービスの健全な発展のためにも、引き続きアマゾン社には善処を求めてまいります」としている。

 アマゾンはスポニチアネックスの取材に対し「他社との取引の内容については情報を公開していないため、コメントできない」と回答した。

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2016年10月3日のニュース