芝翫襲名の橋之助に菊五郎チクリ キョロキョロしないで

[ 2016年10月3日 05:30 ]

襲名の口上を行う橋之助改め中村芝翫

 歌舞伎俳優の中村橋之助(51)が2日、東京・歌舞伎座の公演「芸術祭十月大歌舞伎」で初日を迎え、八代目中村芝翫を襲名した。9月には不倫騒動で恐縮しきりだった芝翫だったが、この日の口上では晴れやかな表情で精進を誓った。ただ、尾上菊五郎(74)に「今までのようにキョロキョロしているわけにはいけません」といじられ、客席がどっと沸いた。

 芝翫は夜の部の口上で「誠に大きな大きな名跡ですが、先祖の名を汚さぬよう、なお一層、芸道に精進致す心得でございます」と述べた。

 満員の客席からは屋号の「成駒屋!」や「八代目!」などと掛け声が上がった。芝翫は成駒屋の大名跡。2011年10月に死去した父の七代目芝翫さんは人間国宝にも認定された名女形だった。

 今回は歌舞伎史上初の父子4人の同時襲名が実現。長男国生(20)は四代目橋之助を、次男宗生(18)は三代目福之助を、三男の宜生(15)は四代目歌之助を、それぞれ襲名。

 舞台上には父子4人のほか、坂田藤十郎(84)、尾上菊五郎ら人気役者も勢ぞろいした。

 粛々とあいさつが続く中で、菊五郎は「新芝翫さん、大名跡を継いだので、今までのようにキョロキョロしているわけにはいけません」と芝翫をチクリ。芝翫は京都の芸妓(げいこ)との不倫疑惑を週刊文春で報じられ、先月14日に謝罪会見を行い「不徳の致すところ」としていた。大先輩のユーモアを交えた忠告に客席からは笑いが起こり、芝翫も思わず苦笑い。その後、恐縮した様子で深く頭を下げた。妻でタレントの三田寛子(50)は、劇場のロビーでは関係者やひいき筋と丁寧にあいさつを交わし、祝福の言葉に何度も「ありがとうございます」と頭を下げていた。報道陣にも「皆さんに見ていただいて本当にうれしかったです」と笑顔で声を掛けた。

 十月大歌舞伎は26日まで。襲名興行は11月まで歌舞伎座で、その後大阪、福岡、京都へと続く。

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2016年10月3日のニュース