谷川俊太郎さん、絵本で戦争伝える 戦争体験「自分の中で生きている」

[ 2015年8月1日 14:25 ]

絵本「せんそうしない」刊行記念イベントで取材に応じた谷川俊太郎さん

 詩人の谷川俊太郎さん(82)とイラストレーターの江頭路子さん(37)が1日、都内で「絵本『せんそうしない』刊行記念イベント」を行い、イベント前に報道陣の取材に応じた。

 谷川さんは戦争を若い世代に伝えるにあたり「現実に体験したものしかリアリティない。小さい子供に伝えるの難しい」と苦労を明かし、「今回絵本で出版」することを「ただ、思いついた」と語った。しかし、この本に込めたメッセージについては「何もないですよ。絵本ですから」と笑い、感想は読んだ読者に委ねる、とした。

 谷川さんは自身の戦争体験にも言及。「焼夷弾の空襲で家の近くまで焼けた。でも子供だったから、おもしろかったんですよ。珍しいことが起こってるわけで。友達と自転車で焼け跡を見に行って、焼死体を見たことが強く印象に残ってますね」と語り、「そういう体験は自分の中で生きていると思いますよね」と力を込めた。

 対して江頭さんは戦争未体験。絵を描く際「実際、戦争を体験してないので、何が足りないのか」と思い悩んだそうだが、谷川は「最終的にはすごくうまくいきました」と出来に太鼓判を押した。

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