【大学スポーツ】「立教スポーツ」編集部

立教大学【対慶大1回戦】田中誠8回2失点。立大がサヨナラ危機脱し、引き分け

[ 2017年4月24日 05:30 ]

対慶大1回戦   立大2―2慶大 ( 2017年4月22日    神宮 )

慶大・柳町に速球を投げ込む田中誠(C)「立教スポーツ」編集部
Photo By 提供写真

 法大戦で勝ち点を獲得し、快調なスタートを切った立大。1回戦の先発を任されたのは、先週と同様に田中誠(コ2=大阪桐蔭)だ。法大3回戦で完封勝利を挙げ、立大の新エースとして頭角を現した左腕が、強力慶大打線と対峙した。試合は序盤、初回に先制点を挙げた立大ペースで進んだ。3回に追加点を奪ったものの、5回に田中誠がつかまり同点に追いつかれる。その後、両軍得点を奪うことはできず、2−2の引き分けで終わった。

 立大は初回から慶大の先発関根(1年=都城東)を攻め立てる。先頭の寺山(社3=神戸国際大附)が中前安打を放ち、流れを呼び込むとそこから犠打と安打で1死一、三塁と好機を広げる。バッターボックスに立つのは、この日まで打率5割と絶好調な4番笠松(コ4=大阪桐蔭)。「4番としての仕事」にこだわる主砲が、2ストライク2ボールと追い込まれてからスライダーに食らいつく。この打球が右前にポトリと落ち、立大が電光石火の速攻で先制に成功した。すると3回には、開幕からヒットがなかった主将の熊谷(コ4=)に待望の初安打が生まれる。外角高め134キロの直球を逆方向に打ち返し、打球は右中間を切り裂いた。打球が転々とする間に俊足を飛ばし、一気に三塁へ。「ほっとしています。チームのみんなが打たせてくれたヒット」。と喜びを口にした。その後併殺打の間に熊谷が生還し、追加点を奪った。

 田中誠は打線の援護に応え、強力打線を封じ込めていく。「自分のリズムで投げられたことが良かった」。と語るように、低めに制球された130キロ台後半の直球とチェンジアップのコンビネーションで次々と打者を手玉に取った。しかし無安打の投球を見せていた5回、ついに慶大打線に捉えられる。先頭の郡司(2年=仙台育英)にチーム初安打を許すと、適時二塁打を浴び、1点を返される。さらに2死一、二塁から1番天野(4年=智辯和歌山)にわずかに甘く入った直球をはじき返され、同点に追いつかれてしまう。

 反撃に出たい立大であったが、6回からマウンドに上がった慶大の3番手高橋亮(2年=慶應湘南藤)を捉えられず。8回までパーフェクトで抑えられ、反撃の糸口をつかむことができない。一方の田中誠は8回に連打で1死一、二塁と今日最大のピンチを迎える。ここで対するは2戦連発中の4番岩見(4年=比叡山)。「打たれたらしょうがない。思い切っていこう」。真っすぐで内角を強気に攻め、三塁ゴロに打ち取った。後続も打ち取り、正念場を凌いだ。8回で投じたのは133球。走者を背負いながらも粘り、2失点でまとめた。

 最終回も立大は0点で抑えられ、この時点で勝利の可能性が消えた。田中誠の後を受けたのは、法大1回戦で好投を見せたサブマリンの中川(コ1=桐光学園)。前回登板に引き続き、チームの勝敗を左右する状況での登板となった。ここで立大はサヨナラのピンチを迎える。1死満塁と絶体絶命の場面。迎える打者は5回に同点適時打を放っている天野。「気持ちで負けたら打たれる。気合で押し切りました」。ここで大型新人が本領を発揮した。全て直球で勝負を挑む。下手からの浮き上がる直球で天野を空振り三振で打ち取ると、続くバッターも132キロの直球で押し切って空振り三振。連続三振で、敗戦の危機を脱した。

 何とか引き分けに持ち込み、次戦へとつなげた立大。田中誠がエースとして試合を作り、ルーキーの中川が最後を締める。打線に元気はなかったが、投手陣は粘りの投球を見せた。下級生投手たちの頑張りに応え、明日こそは打線も奮起してくれるはずだ。チームの一体感をテーマとして掲げる立大にとって、今日見せた粘り強い戦いは必ず今後への糧となる。

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