【大学スポーツ】「立教スポーツ」編集部

立教大学【「戮力同心」春季リーグ戦直前インタビュー】<市原コーチ&井上主務>

[ 2017年4月13日 08:30 ]

キャンプについて振り返る市原(C)「立教スポーツ」編集部
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 まさに、縁の下の力持ち――。今季の立大を陰から支えるスタッフ陣に注目したい。200人近い部員の個性を引き出し、まとめる、そんな役割を担う市原(コ4=富士学苑)と、井上(コ4=福岡大大濠)に現在のチームについて話を伺った。

 ◎市原一樹(コ4=富士学苑)◆

 ――学生コーチチーフに就任されてから数か月経過しましたがいかがですか
 チームの先頭に立ってチームを引っ張るということはどれだけ大変かということを初めて経験しました。なかなかうまくいかないことも多く、どうすればよいかというのを選手とコミュニケーションを取りながら、解決してチームをよりよくしている状態です。

 ――市原さんが学生コーチになった経緯は何ですか
 自分からなったわけではなくて他の選手からと、監督さんからどうしてもやってくれないかということで、これだけ必要とされていて、そういう選手は他にはいないからということで、裏を返せば自分にしかできないことだと考えてなりました。選手としてもコーチとしても優勝という目標に向かっていることは変わりないので、先頭に立ってチームを引っ張ることができる存在を求められている中で、自分が推薦されたということで本当にうれしいことだと思って引き受けました。

 ――現在はどのような仕事をされているのですか
 自分の役割は選手と監督との橋渡しとしてうまく調整することです。選手と監督の思いがずれるといけないので、上手くチームが回るようにいろいろなところで間に立って、どうしていけばよいかを監督とも選手とも相談しながら一番良いものを選手に提供するということを意識しています。
 (――監督の意思を伝えるとは?)監督がこういうチームを目指しているだとか、課題をつぶすにはどのような練習をしていくかということをまず選手より先に自分が提案を受けるので、それをどういう状態でやるのがベストかということを主将や副将と話し合って、こういう方法でやっていこうということを決めて取り組んでいます。練習メニューは自分と主将が相談して考えています。

 ――ランナーコーチを務めることになりますが
 自分たちのチームがなかなか多く得点を取れるチームではないので、1点1点の重みというのは今まで以上にのしかかってくると思います。そこの責任感は感じているのでミスはできないです。守り切って勝つチームだと思うので、そこの中での自分の役割というのは非常に重要だと思っています。

 ――同学年がいる中でのコーチは難しいか
 難しいですね。同学年は私生活では仲が良いですし、そういう選手に対して野球のプレーに関して厳しく言うというのは最初は勇気がいりましたし、言われて納得していない選手もいました。でもやっぱり自分の発言をどうやって信頼してもらうのかということが重要だと思います。朝早くから夜遅くまで選手以上にグラウンドに残ったり、信頼を勝ち取るためにはどうすればよいかということを最初は考えていました。

 ――キャンプで成長著しい選手、注目している選手はいらっしゃいますか?
 藤野(営2=川越東)というキャッチャーがいるのですが、いままでは高田(コ4=浦和学院)や江波戸(コ4=成田国際)のいる捕手陣の中で陰に隠れてなかなか出ることができない選手でした。ですが、キャンプでの取り組みを見て誰よりも練習していましたし、誰よりも早くグラウンドに来ているので自分も見ていたのですが、藤野だけが他の選手よりも疲れている中で、一番練習していました。加えて宮崎で行われた3試合の練習試合すべてで結果を出して、練習の面でも試合の面でも一番目立っていました。

 ――現在のチームの戦力分析をお願いできますか
 調子は右肩上がりにはなっていると思います。バッティングの課題も修正出来てきていますし、このままいけばリーグ戦に良い状態で臨めると思います。あとオープン戦が数試合あると思うのですが、キャンプ前の課題をキャンプでつぶせたので、あとは新しいバッティングスタイルをどうするかという課題に取り組むので、あともう少しだと思います。

 ――市原さんから見た、主将熊谷選手はどういう人物でしょうか
 自らの姿勢で引っ張る主将だと思います。勿論声も出すのですが練習では主将が一番練習していますし、そういうのを見て周りの選手が俺も頑張ろうという空気になっています。全体練習が終わっても熊谷が居残って練習している姿を見ると俺も帰れないなという風に、全体練習後の練習が盛り上がっているなというのは去年とは一番違う所かなと思います。

 ――ポジション争いも激化していますが
 そうですね。去年は誰が出るかというのはある程度決まっていました。ただ今年は本当に誰が出るかわからないという状態で、正直ショートしか決まっていないという状況です。その中でのポジション争い、選手のがつがつ感というのはリーグ戦を前にしてとても増していますし、練習量が上がって俺が出てやるんだという選手が増えてきましたね。それはすごくチームにとって良い状況だと思いますね。

 ――チームのスローガンについては
 自分たちのチームカラーとして、監督からよく言われているのが一体感を出せということで、束になって戦わないと勝てないぞということは常に言われていたので、そういうことに立ち返れるスローガンにしたいと思っていました。簡単に言うと力を合わせて心を一つにという意味の?力同心という言葉が自分たちに一番合っているかなということで決まりました。心を一つにしてチーム力で勝っていくということです。

 ――最後にリーグ戦の意気込みをお願いします
 自分たちのこれまでやってきた野球ができれば勝てると思っています。どこにでも優勝できるチャンスがあると思っているので、自分たちのスローガンである?力同心は徹底的にやっていきたいと思っていますし、それを生かして優勝したいと思っています。

 ――ありがとうございました!

 ◆市原一樹(いちはら・かずき)1996年1月8日三重県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/学生コーチ/富士学苑/176センチ・70キロ

 ◎井上浩太(コ4=福岡大大濠)

 ――新チームの印象
 今年は一体感をテーマにやっているので、皆で一つのことに集中して何事もやっていこうとうことでやっているので、そういったところはチームに浸透していると思います。雰囲気は良い意味でうるさいというか、元気なチームだなと感じています。

 ――新座キャンプを振り返っていかがでしたか
 新座のメンバーも、上を目指すという気持ちを皆が持っていて一体感がありました。オープン戦も3戦全勝だったので、本当に良いキャンプを送れたのかなと思います。MVPを挙げるなら宮崎(コ2=相模原)かな、と思いますね。東農大戦で完封という結果も残しましたし、彼なら出すべくして出した結果だとも思いますけど、彼が一番頑張ったのかなと思いますね。

 ――今季の投手陣については
 力で抑えるタイプではないので、バッテリー間でうまくコミュニケーションをとって抑えていくのが今年だと思います。昨年は澤田さんや田村さんがベストボールを投げていれば打たれることはなかったのですが、今年はそうではなくなってきているので、いかに相手を分析していくかだと思います。そういう意味では、キャンプ中にも配球を学ぶミーティングを行ったりしていたので、意識を変えているなと感じます。藤田(営4=県岐阜商)を中心にやっていますね。ですが、個人的には投手コーチをやっている林(済4=東筑)が今の投手陣を間違いなくまとめ上げているなと思います。

 ――ムードメーカーはいますか
 たくさんいますが、今年もやはり松崎(文3=横浜)は健在ですね。松崎は、出れば何かしらやってくれるのではないかな、と思わせる雰囲気を持っていると自分に限らず皆が思っていると思います。

 ――練習を見ていて、頑張ってほしい選手はいらっしゃいますか
 やはり、地道な努力をしている選手は頑張ってほしいと思いますね。個人的には大東(社4=長良)には頑張ってほしいと思います。皆頑張っている中で、誰もが頑張っていると認めるのは大東だと思うので、大東には結果を出して、良いシーズンにしてほしいです。

 ――マネージャーやっていてよかったと思う瞬間は
 大学ではまだないですかね。よかったというよりは、自分の仕事がいつも通り、何事もなく終わっていくのが、自分としてはよかったというか。マネージャーの仕事は地味なので、こんなことやっていたのか、と気づかれないことをやっています。そういうところにやりがいを見出している部分もあって。何もないが一番良い、これにつきますね(笑)

 ――主務になった経緯
 去年の7月に監督から呼ばれて、頼まれました。今年は当番校としても、頑張ってくれと言われました。その日は、やはり忘れられない日になっていますね。うれしいというよりは、身の引き締まる思いというか。自分がしっかりしないと東京六大学野球がうまく運営できないので、92年目の歴史に汚点を残さないように、という思いが強くなりました。元々入部するときに面接があって、その時に当番校が今年であることはわかっていました。ですが、改めて言われて身の引き締る思いですね。

 ――今年はフレッシュリーグなど仕組みが大きく変わりますが
 すごく六大学野球を活性化しようという動きが大きくなっているので、それは本当に良いことだと思います。観客数も落ちてきていて、それをどのようにプロモーションしていくかというところで六大学野球ゼミナールも始まっていますし、もともと六大学野球を広めたいという思いが自分の中にあったので、よいと思います。新人戦も、運営側は体力的にきついかもしれませんが、やれることはやりたいので、本当にもっと活性化していけばよいなと思いますね。

 ――主将・熊谷選手の印象
 責任感が本当に強いと思います。主将になったとたん、野球以外の部分も真面目になったというか。今までがまじめでなかったわけでは全くないのですが。本当に責任感が強いと思いますね。(――今までの主将とは違いますか) 歴代と比べて突出しているかはわからないですが、キャリアが違うと思うのですが、歴代と比べても謙虚だと思います。決しておごらないですし、野球に対しても冷静な考えを持っていて、客観的にチームを見ることができる主将だと思います。

 ――最後に、応援してくださるファンに一言お願いします。
 頑張っている部員を応援してあげてください、という気持ちです。そういった選手を神宮球場で応援してあげてください。そして、リーグ戦後に18年お待たせしました、と言いたいですね。

 ―ありがとうございました! (3月24日「立教スポーツ」編集部 取材・川村健裕、渡邉紘也/編集・川村健裕)
 ◆井上浩太(いのうえ・こうた)1995年6月18日福岡県生まれ。コミュニティ福祉学部4年/主務/福岡大大濠/175センチ・65キロ

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