矢野燿大氏 なぜ大山と?井上は意図感じ、いいところ盗んで自分をぶち破れ 阪神春季キャンプ

[ 2024年2月4日 05:15 ]

ランチ特打で力強い打球を放つ阪神・井上(撮影・大森 寛明)
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 【矢野燿大氏 CHECK】宜野座キャンプ初の土曜日に、ランチタイム特打で大山と井上がペアを組んだ。同時に打つから観察はなかなかできないが、一緒に動いたことをきっかけにして、井上にはいいところをしっかり見て、盗んでほしい。

 森下や野口、小野寺と争う井上は必死に打つしかない特打の時間だったはず。一方の大山はかたくななまでに、センターから逆方向に打球をはじき返すことに集中していた。試合では相手は決して気持ちよくバットを振らせようとはしない。大山ですら、常にいい当たりはできない。ならば、どうするか。愚直なまでの大山の打撃練習が、その答えだ。

 厳しい言い方をするが、高卒5年目の井上も立場は崖っ縁だ。体のサイズもパンチ力もあるが、現実は1軍で0本塁打。チャンスが来るのも森下や野口の後になる。それが勝負の世界だ。

 形にはまれば打てるが、1軍の投手はそれを崩しにくる。崩されても対応する本能、感覚をいかに磨くか。狙いが少し外れたら、簡単に見逃すのではなく、少々高めでも思い切って巻き込んで打つくらいの気持ちが井上には欲しい。可能性を信じて、がむしゃらな部分がにじみ出たときに、ワンランク上の選手になれるように思う。出番は与えられるものではなく奪うもの。大山の打撃に接した機会を生かして、自分をぶち破ってほしい。 (本紙評論家)

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