ソフトB山川 場外2本、4連発を含む柵越え13本 小久保監督は「これぞプロ」と称賛

[ 2024年2月4日 06:00 ]

フリー打撃で快音を響かせたソフトバンク・山川(撮影・岡田 丈靖)
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 門出の13発に大きな歓声と拍手が巻き起こった――。ソフトバンクの山川穂高内野手(32)が3日、今キャンプ初となる屋外でのフリー打撃を行い、場外2本、4連発を含む13本の柵越えを放った。スタンドを沸かせ、同僚の柳田悠岐外野手(35)は「半端じゃない」と驚きの声を上げた。あくまでも見据えるのはシーズンでのアーチ量産だ。日々の準備を大切にしてキング復活を目指す。

 本塁打ショーにスタンドが沸いた。最初の左腕の打撃投手相手には、センターから右方向への低い打球を意識して臨んだため柵越えはなかった。隣のケージに移り右の打撃投手に対峙(たいじ)すると3度の本塁打王の実績を誇る大砲のギアが入った。

 「バッティング練習では本塁打の確率を大事にしています。狙い出してからは2回振ったら1回はホームランを打ちたい。連発できるということが大事になる。そういう意味ではきょうは良かったかなと思っています」

 1スイング目から豪快な一発を運ぶと、25スイングで推定飛距離130メートルの場外弾を含む13本の柵越えを放った。中盤には4連発も記録した。スタンドインの際に沸き起こる歓声や拍手の音は徐々に大きくなっていった。打ち終えると再び大きな拍手が球場を包んだ。

 西武からのFA移籍には逆風も吹き荒れた。そんな大砲が門出となったフリー打撃で温かいエールを受けた。見守った小久保監督は「お客さんの拍手が一番、彼は救われたんじゃないですか? いろんな思いでホークスのユニホームを着て、フリー打撃で、これぞプロというものを見せつけての拍手でしょうから」と称え、王球団会長も「良かったでしょう?ほら、いいやつはいいんだよ!」と上機嫌だった。

 山川は「もちろん、うれしいですが、試合で打ってこそだと思う。今日は正直、一度見てもらいたいという思いがありましたが、打撃練習を見せに来たわけではない。試合で打って歓声をいただいて、それを何日も続けて、何カ月も続いたときに、初めてそう思うと思います」と気を引き締めた。

 チーム内のコミュニケーションは円滑だ。練習熱心さに加え、優れた打撃理論でも知られ、質問はウエルカムなタイプ。同組で練習する柳田、近藤らとの意見交換はもとより、早くも自身が予想していた以上に多くの問いかけを若手から受けている。

 毎朝5時半に起床。パーソナルトレーナーの治療を受けてから早出で球場入りし、全体練習に向けて早めに体を始動させている。シーズンでのアーチ量産に向けて「一日一日、丁寧にやることが最高の調整になると思ってます」と力を込めた。 (木下 大一)

 《ギータも“ハンパない”と称賛》山川、ハンパないって! 主砲・柳田が新加入の大砲の打撃に最敬礼した。屋外でのフリー打撃を間近で見守り「半端じゃないです。(隣のケージのウォーカーと)2人とも。見たら分かるじゃないですか」とギータ節を交えて笑顔を浮かべた。相乗効果も生まれそうだ。打率3割、30本塁打、5盗塁を今季の目標に掲げる鷹の背番号9は「回転のかけ方とか、そういうところも凄いなと思う。こういう人たちがチームメートなのも頼もしい気持ち。一緒になっていい打者を目指していきたい」と続けた。

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