権藤博氏 殿堂入りの谷繁元信氏のプロ通算最多試合出場記録は「柔道の受け身みたいな柔らかさ」が要因

[ 2024年1月18日 16:33 ]

谷繁元信氏(左)と権藤博氏(右)
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 野球殿堂博物館は18日、今年の殿堂入りを発表。競技者表彰のプレーヤー部門で元広島の黒田博樹氏(48)、元中日監督の谷繁元信氏(53)が選ばれた。エキスパート部門では2年ぶりに殿堂入りはなかった。また、特別表彰では元セ・リーグ審判員の故谷村友一氏(22年没、享年94)が殿堂入りした。

 黒田氏と谷繁氏は、表彰委員総数358、投票委員数354、有効投票数354、当選必要数266に対し281票を獲得。得票率79.4%で選出された。2人に続く3番目の票数となった元中日・岩瀬仁紀氏(49)は232票(得票率65.5%)で、惜しくも2018年の松井秀喜氏、金本知憲氏以来史上7人目となる候補初年度での殿堂入りはならなかった。

 都内で行われた表彰式には、谷繁氏の恩師にあたる権藤博氏もがゲストとして参加した。権堂氏はゲストスピーチで「谷繁、おめでとう。私が監督をやった時にはもうレギュラーで2年目だったんです。その前の年に3割を打ったらしいんですけど。彼を支えてきたのは、何とかこのレギュラーをつかみ続けるという執念が最後まで崩れませんでした」と称えた。

 谷繁氏は通算3021試合出場、捕手として2963試合出場はプロ野球最多記録を誇る。権藤氏は「体的には親が生んでくれた立派な体ですけど、キャッチャーというポジションはすごく体に当たられることが多い。これがもう凄く柔らかい。柔道の受け身みたいな柔らかさで。相手のブロックを自分は飛ばされても大きな衝撃を受けない。これが谷繁の凄いところ」と分析した。

 さらに「何より優れていたのはハンドリングですね。キャッチャーミットで捕るというより、グラブで捕るぐらい軽々と、内野で遊んでいるぐらい軽々と捕る。そのために、投手の140キロ、150キロの球を簡単に捕って、そのハンドリングの良さがスローイングの良さにもつながっていた。これといった特別なものは、3割は1回打ったらしいですけど、ないんですけど、本当にしぶとい。いざとなった時にはチームにとって頼りになる。私は試合が始まったら捕手はフィールド内の監督だと思っているんですけど、本当にそういうプレーを彼は見せてくれました。試合の時に投手がサインを間違って投げても、ハンドリングの良さで平気で処理していました」とハンドリングの良さも要因の一つに挙げた。

 最後に「まだ53歳だそうですから、まだまだできそうな体をしていますけど、これからは野球界のために何らかの形で谷繁らしく貢献してもらいたいと思います。おめでとうございました」と今後の活躍も期待し、スピーチを締めくくった。

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