山本浩二氏 殿堂入りの黒田博樹氏を祝福 メジャーから広島復帰は「男気。初めて優勝の感激を味わった」

[ 2024年1月18日 16:13 ]

日米通算200勝表彰で名球会の山本浩二理事長(右)からブレザーを着せてもらう広島時代の黒田博樹氏(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 野球殿堂博物館は18日、今年の殿堂入りを発表。競技者表彰のプレーヤー部門で元広島の黒田博樹氏(48)、元中日監督の谷繁元信氏(53)が選ばれた。エキスパート部門では2年ぶりに殿堂入りはなかった。また、特別表彰では元セ・リーグ審判員の故谷村友一氏(22年没、享年94)が殿堂入りした。

 黒田氏と谷繁氏は、表彰委員総数358、投票委員数354、有効投票数354、当選必要数266に対し281票を獲得。得票率79.4%で選出された。2人に続く3番目の票数となった元中日・岩瀬仁紀氏(49)は232票(得票率65.5%)で、惜しくも2018年の松井秀喜氏、金本知憲氏以来史上7人目となる候補初年度での殿堂入りはならなかった。

 都内で行われた表彰式には、黒田氏の広島時代の恩師にあたる山本浩二氏もがゲストとして参加。山本氏は「まず野球殿堂入りされた谷村さんのご家族のみなさん、おめでとうございます。私、現役の時は大変お世話になり、威厳のある采配をされていました。素晴らしい殿堂入り、本当にお祝いを申し上げます。シゲ(谷繁)おめでとう、それだけ(笑い)」と主役の一人である黒田氏への祝辞を飛ばして笑いを誘った。

 その後、山本氏は「クロとは2001年から5年間、監督と選手の間でやってきました。ちょうど脂の乗り切ったころの選手でした。今もあの当時も分業制というのがありました。クローザーがいて、セットアッパーがいて。あの当時から先発すると完投のことしかないんですね。何完投したか、40数完投だと思うんですが、先発するとリリーフはいらないという投手でした。かたくなに一人で投げて、投げ抜いて、勝ちを取る。性格的にもガッツのある、根性のある選手です。寡黙ではあるんですが、非常に努力してきたのをよく覚えています」と懐かしそうに振り返った。

 さらに2005年に最多勝を獲得した際の思い出話も披露した。「1度だけ最多勝を獲ったことがあります。この時はあと1勝で最多勝で、リリーフで勝ちを取りました。どれだけ本人は悔しかったと思うのですが、タイトルを獲るというのは大変なことでありまして、その後にプラスになるという私の考えで、強行したのを覚えています」と明かした。

 メジャー時代についても言及。「メジャーに行きまして、あのメジャーの選手たちの中でそれを抑えていく努力というのは並大抵のことではないと思います。大谷の体を見てもすごくトレーニングしているというのはよく分かります。クロもこの体で負けたくないという気持ちを持って戦ってきたのではないかと。投球内容は落ちるボールを覚えたり、何とかドアって言うのかな?あれ。フロントドア?バックドア?あんなボールを見たことなかったんですが、それでメジャーでも何勝もしてきました」と努力を称えた。

 最後に「そして、これこそ男気だと思うのですが、カープに帰って、本人は優勝の経験をしたことがなかった。初めて優勝の感激を味わったと思います。これはおそらく、聞いたことはありませんが、一生の思い出になっているんじゃないかと思います。これがまたこれからの人生の中でもプラスになっていくんじゃないかと。個人記録もありますけど、一つになって戦う野球の素晴らしさ、優勝を目指していく素晴らしさというのは、誰もが優勝を経験して感じるものだと思います。これからも野球界のために頑張ってください。おめでとうございます」と締めくくった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年1月18日のニュース