殿堂入りの黒田博樹氏　転機は山本浩二監督就任「エースとしての心構え、責任を学ばせていただきました」

黒田博樹氏
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　野球殿堂博物館は18日、今年の殿堂入りを発表。競技者表彰のプレーヤー部門で元広島の黒田博樹氏（48）、元中日監督の谷繁元信氏（53）が選ばれた。エキスパート部門では2年ぶりに殿堂入りはなかった。また、特別表彰では元セ・リーグ審判員の故谷村友一氏（22年没、享年94）が殿堂入りした。

　黒田氏と谷繁氏は、表彰委員総数358、投票委員数354、有効投票数354、当選必要数266に対し281票を獲得。得票率79.4％で選出された。2人に続く3番目の票数となった元中日・岩瀬仁紀氏（49）は232票（得票率65.5％）で、惜しくも2018年の松井秀喜氏、金本知憲氏以来史上7人目となる候補初年度での殿堂入りはならなかった。

　黒田氏は表彰式で「本日は野球殿堂入りという大変名誉な選出をしていただき、まことにありがとうございました。まずはじめに、このたびたくさんの票を入れていただきましたメディアの皆様、本当にありがとうございました。深く感謝いたします」と感謝の言葉を述べた。

　続けて「私は大学を卒業後、広島カープに入団し、入団後数年間はなかなか結果を残すことができなったんですが、その後、非常に大きな転機になったのは本日ゲストスピーチで起こしいただきました山本浩二さんが2度目の監督に就任されたことでした。山本浩二さんには先発投手、そしてエースとしての心構え、責任、そういったたくさんのものをマウンドで学ばせていただきました。そのおかげでそのシーズン、自身初の2桁勝利を挙げることができました。その教えを持って、私の20年間の現役生活、その最後のマウンドまで、私の原動力になっていました。そして最後に、私は日米20年間の現役生活の中で1万回以上の打者と対戦してきました。こちらにいらっしゃる谷繁さんもその一人です。敵、味方含め、たくさんの素晴らしいプレーヤーと切磋琢磨して参りました。歴代の監督、コーチ、スタッフ。そして幼少期から現在に至るまでたくさんの方に野球というスポーツに携わっていただき、最後はたくさんのファンの方たちに声援を送っていただきました。そのすべての方々にこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」とあいさつした。

　黒田氏は専大から1996年ドラフト2位（逆指名）で広島に入団。2003年から5年連続で開幕投手を務めるなど不動のエースとして活躍した。2008年からドジャース、2012年からはヤンキースでプレー。10年から5年連続2桁勝利を挙げるなどメジャー通算79勝を挙げた。

　2015年に古巣・広島に復帰。2016年7月23日の阪神戦で日米通算200勝をマークした。同年限りで現役を引退。背番号「15」は球団の永久欠番となった。広島での成績は321試合で124勝105敗1セーブ、防御率3・55。メジャー2球団では通算212試合で79勝79敗、防御率3・45だった。