中日・堂上直倫 「最高の野球人生でした」竜一筋17年、努力で身につけた堅実なプレーが人柄を物語る

[ 2023年12月29日 05:45 ]

堂上直倫

 残り3日となった2023年。今年も10月下旬に行われたドラフト会議で将来のプロ野球界を背負っていく有望株たちが指名されたが、一方で多くの選手がユニホームを脱ぎ、新しい人生をスタートさせる。去りゆく選手を2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。第1回はセ・リーグ編。

 【中日・堂上直倫】10月3日、本拠地バンテリンドームで迎えた今季最終戦。中日一筋17年、地元の期待を一身に背負った堂上が5度、宙を舞った。

 「小さい時からナゴヤドームに来ていましたし、そこで始まって、そこで終われる。最高の野球人生でした」

 引き際を決めたのは8月31日。出場選手登録を抹消された瞬間だった。「今年、結果を出さないと(引退)、と思っていた。やるだけのことはやったけど、1軍の戦力になれなかったので」

 内野の全ポジションをこなす高い守備力でチームを支えた。土台は10年のロッテとの日本シリーズ第5戦で味わった屈辱。「僕が初回に失策して大量失点につながり、その試合を落とした。一つのミスで負ける。人生で大きな出来事」。野球の怖さを知り、懸命に努力を重ねて身につけた堅実なプレーが、その人柄を物語っていた。

 来季は1軍内野守備走塁コーチとなる。父・照さんは元中日投手で寮長も務めた。かつてお立ち台で並んだ兄・剛裕さんの背中を追い、背番号63を受け継いで戦ってきた。「若い選手が必死に練習しています。来年のドラゴンズは必ず強くなります」。後進の育成に尽力し、チームを再び常勝軍団にする。それが最大の恩返しとなる。(湯澤 涼)

 ◇堂上 直倫(どのうえ・なおみち)1988年(昭63)9月23日生まれ、愛知県出身の35歳。愛工大名電から06年高校生ドラフトで3球団競合の末に1巡目で入団。通算1012試合の出場で打率・225、34本塁打、209打点。1メートル84、88キロ。右投げ右打ち。

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