広島・一岡竜司 データ分析行う「アナリスト」に転身し「最後、引退試合をしてもらった」球団に恩返し誓う

[ 2023年12月29日 05:45 ]

一岡竜司

 残り3日となった2023年。今年も10月下旬に行われたドラフト会議で将来のプロ野球界を背負っていく有望株たちが指名されたが、一方で多くの選手がユニホームを脱ぎ、新しい人生をスタートさせる。去りゆく選手を2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。第1回はセ・リーグ編。

 【広島・一岡竜司】真っ赤に染まったマツダスタジアム。一岡は最高の花道を飾った。引退試合となった10月1日の阪神戦で3―5の6回に登板。オール直球勝負を選択した。最後は外角144キロで島田を見逃し三振。試合後のセレモニーでは8度も宙に舞い、12年間のプロ野球生活に別れを告げた。

 「最後、引退試合をしてもらったことが一番大きい。もしなかったら、別の仕事を選んでいたと思うし、あそこまでしてもらって、球団から話(オファー)があったので、残ることを決めました」

 巨人で入団から2年で13試合登板だった右腕が、広島移籍を機に才能が開花。新天地では主にセットアッパーで277試合に登板した。現役引退を表明後は各所からさまざまなオファーがあったというが、球団への感謝の思いを行動に移す。来季からはチームのデータ分析を行う「アナリスト」に転身する。これまでは相手打者のデータなどを参考にプレーに反映していたが、投球の回転数などを数値化する「ラプソード」など最先端の機器を駆使して、戦術に生きるデータを現役選手たちに提供していく。

 一岡は「今は不安が10割。興味のある分野なので勉強して分かりやすい言葉で伝えていきたい」と言葉に力を込める。10年間在籍したチームに恩返しをするべく、新たな職場でも“全力投球”する。(長谷川 凡記)

 ◇一岡 竜司(いちおか・りゅうじ)1991年(平3)1月11日生まれ、福岡県出身の32歳。藤蔭、沖データコンピュータ教育学院を経て11年ドラフト3位で巨人入団。13年オフにFAの人的補償で広島移籍。17、18年は50試合以上登板など通算290試合登板。1メートル79、87キロ。右投げ右打ち。

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