広島・上本 シーズン最終戦の屈辱忘れない 2失策を猛省「守備は大事。改めてもう一回やってみようと」

[ 2023年12月29日 05:45 ]

広島・上本

 広島・上本崇司内野手(33)が来季に向け、堅守の誓いを立てた。レギュラーシーズン最終戦となった10月1日の阪神戦(マツダ)で犯した2失策を猛省。地元・広島県福山市で予定する新春の自主トレから守備練習により時間を割く考えだ。今や走攻守で欠かせない貴重なユーティリティー選手。自身の地歩を固めた原点に立ち返り、6年ぶりのV奪還に貢献する。

 押し迫る年の瀬。自主トレで体づくりに励みながらも、上本の脳裏には“あの時”の記憶がしっかり刻み込まれていた。10月1日、本拠地マツダスタジアムであった阪神とのレギュラーシーズン最終戦。そこで犯した痛恨のシーンだ。

 「チームに迷惑をかけたことしか浮かばない。最終戦の2失策。大事な試合でミスをするのは、何かが足りないということ。スキがあったと思う」

 6番サードでの先発だった。2―1の4回2死から代打・ミエセスの三塁内野安打に悪送球が重なって同点に追いつかれ、5回無死一塁でも併殺が狙える大山の三ゴロを二塁へ悪送球。直後に床田が佐藤輝に勝ち越し3ランを被弾した。

 悪影響は打撃にも表れた。ミスを取り返そうとしても「力みが出て」気合は空回り。4打席で快音は響かなかった。引き分け以上で2位が確定した試合。勝敗に直結した2つの送球ミスは、大事な原点を思い出す契機になった。

 「守備はやっぱり大事。(ミスは)周りに迷惑をかけてしまう。手を抜いていたわけじゃないけど、打撃の方に力を入れていたのは事実。守備練習はすべてにつながると思うので、改めてもう一回やってみようと思う」

 年明け1月に地元・福山で予定する自主トレで、守備にこれまで以上の時間を割く。「打撃練習(の量)はもちろん減らさない。そこにプラスして」。グラウンドで数多くノックを受けるだけでなく、安定感を求めて送球練習にも力を入れる意向だ。

 新井監督をして「欠かせない戦力」と言わしめる貴重なユーティリティー選手。今季はサードと二遊間、外野の全ポジションを守った。位置が変われば送球距離も変わる。ミスを批評するのは簡単でも、複数守備をこなすのは容易ではない。

 「最初はレギュラー陣や若手に出てもらって、誰かが休む時に代わりができたら…と。優勝したいし、新井監督をマツダのマウンドで胴上げしたい」

 守備固め、代走から努力してユーティリティー選手としての地歩を固めてきた。振り返れば、堅守こそが上本の原点といえる。12年目の来季に向けた誓い。33歳は気持ちを奮い立たせている。(江尾 卓也)

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