広島・新井監督 第3戦「楽しみ」 連敗で崖っぷちも「負けたら終わり、逆にどういうプレーしてくれるか」

[ 2023年10月20日 05:45 ]

セCSファイナルS第2戦   広島1ー2阪神 ( 2023年10月19日    甲子園 )

<神・広>サヨナラ負けを喫しナインを出迎える新井監督(撮影・島崎忠彦)
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 「2023 JERA クライマックスシリーズ(CS)セ」は19日、ファイナルステージ(S)第2戦で阪神がサヨナラ勝利した。広島は1―1の9回に守護神・栗林良吏投手(27)が木浪に右前適時打を浴び、CSでは球団初のサヨナラ負け。これでアドバンテージの1勝を含めて0勝3敗と土俵際に追い込まれたが、新井貴浩監督(46)は、20日の第3戦での奮起を期待した。

 敵地の大歓声を背に栗林は肩を落として、三塁ベンチに戻った。同点の9回。1死から大山に浴びた二塁打から、2死満塁のピンチを招くと、今季は満塁打率・444を誇る木浪に高めフォークを右前打された。CSでは球団初のサヨナラ負け。守護神は唇をかみしめ、失投を悔やんだ。

 「最後の1球も、低めに狙って投げた球が高めにいってしまった。大事なところの1球というのが投げきれなかった。悔しいというか、やれることはあったのかなと思う…」

 3回以降は両チーム無得点。白熱した投手戦を繰り広げたが、最悪の結末が待っていた。アウェーの戦い方として同点の9回は守護神を温存するのがセオリー。しかし、新井監督は27歳右腕に託した。先手を打って、相手打線を封じにかかったが、用兵は裏目。「9回は栗林。仕方ない。そういう時もある」。自慢の継投策が崩れて救援失敗に終わったが、栗林をかばった。

 先発・大瀬良が7回まで1失点と好投も、同点の8回からは継投に入った。2番手ではセットアッパーの島内を投入。CSファイナルS開幕前に予告していた通り、惜しみなく勝ちパターンを起用する執念采配を見せたが、好結果は生まれなかった。

 一方、打線は2試合連続で先制点を奪った。しかし2回以降は3度の得点圏を生かせなかった。6回は先頭の菊池の右前打から2死一、二塁とするも、西川の痛烈な当たりは木浪の正面を突いて遊直。7回も無死一塁から末包の投直で、一走・上本が飛び出して併殺となるなど、2点目が遠かった。7安打でわずか1得点だった。

 「いい当たりをしても、正面にいったというのが凄く多かった。これは勝負の運」

 痛恨の連敗にも指揮官は現実を受け止めていた。CSファイナルSはアドバンテージの1勝を含めて0勝3敗。土俵際に追い込まれても前を向くことは忘れなかった。

 「負けたら終わり、もう後がないわけですから、楽しみじゃないですか。逆にどういう姿でプレーをしてくれるのか。楽しみです」

 崖っ縁の状況から、どんな姿を見せられるか。4連勝しか道はない。20日の第3戦で新井カープの底力が試される。(長谷川 凡記)

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