ロッテ 10.19に逆転勝ちでファイナルS連敗10で止めた!安田 9回同点打など3打点の大暴れ

[ 2023年10月20日 05:30 ]

パCSファイナルS第2戦   ロッテ6―5オリックス ( 2023年10月19日    京セラD )

<オ・ロ>9回、勝ち越しの犠飛を放った山口(左から3人目)を迎えるロッテナイン(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ(S)第2戦は19日、2位のロッテが6―5でオリックスに逆転勝利。オリックスのアドバンテージを含めて1勝2敗と雪辱した。安田尚憲内野手(24)が1点を追う6回に逆転の2点右前打、9回は同点の右翼線二塁打など3打点。両軍計4度の逆転劇を制し、13年の第3戦からのファイナルS連敗を10で止めた。

 確信があった。9回無死二塁。安田は山岡との対決で、9球中6本のファウルを放つなどカウント2―2と粘っていた。「真っすぐをずっと待っていて、バットに当たっていた。とりあえずずっと真っすぐでいって(待って)大丈夫かなと思っていました」。10球目、133キロの内角の縦のスライダーを強振。一塁線への打球はベースに当たって、右翼へと転がる同点の二塁打となった。

 全10球。直球は一球もなかった。直球待ちで変化球に対応した同点打。ファーストS第3戦でのサヨナラ打を含め、CS5試合で17打数7安打6打点、打率・412の“CS男”の好調ぶりを示す打席だった。「ラッキーな形でベースにも当たってくれたので、よかったなと」。その後広がった1死三塁から、代打・山口の中犠飛で勝ち越し。両軍合わせて計4度の逆転劇の激闘を制した。

 安田は6回2死二、三塁でも、一時逆転となる右前2点適時打。2安打3打点の勝利の立役者だった。好調ぶりに吉井監督は「スーパー安田」と呼ぶ。アドバンテージを含め2敗から逆襲の1勝。指揮官は「ファーストSの最終戦ぐらいから集中力が高くなってきている。いい場面で回ってくる安田が結果を出してくれて良かった」と称えた。

 バファローズを苦しめるのは、やはりロッテだ。伝説の「10・19」決戦。88年10月19日、ダブルヘッダー連勝で優勝が決まる近鉄の悲願を阻止したのがロッテ。当時、近鉄で2試合に登板した吉井監督は「あの頃はこれ以上の興奮はないなと思ったんですけど、メジャーとか経験して今となればね」と回想した。立場が変わったしびれる短期決戦。「ここでプレーするために春から頑張ってきた。みんな、そういう重みを感じながらプレーしてくれたら」と35年前とは違う10・19を制したナインに目を細めた。(大内 辰祐)

 ≪突破率は14・3%≫初戦を落としたロッテが勝利。対戦成績を1勝2敗(1位へのアドバンテージ1勝を含む)とした。プレーオフ、CSファイナルSで0勝2敗から1勝2敗としたのは17年DeNA以来6年ぶり8度目。過去7度のうち日本シリーズ進出は前記DeNAのみ。突破率は14・3%と厳しいがロッテはさらに巻き返すことができるか。

 ▽10・19決戦 1988年10月19日、川崎球場で行われたロッテ―近鉄のダブルヘッダー。首位・西武は全日程を終え、2位・近鉄は連勝すれば逆転優勝だった。第1試合に勝利し、午後6時44分から始まった第2試合。8回に近鉄がブライアントの本塁打で勝ち越すも、その裏に高沢が同点ソロ。午後10時56分、延長10回4―4で引き分け、近鉄は優勝を逃した。「試合開始から4時間を経過して新しいイニングに入らない」の規定があり、9回にけん制死の判定を巡りロッテ・有藤監督が抗議を9分間続けたことも議論を呼んだ。熱戦の裏で夕方には阪急のオリエント・リース(現オリックス)への球団売却が発表された。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月20日のニュース