2028年ロス五輪に野球・ソフトが復活 最強チームづくりと今後の普及へ

[ 2023年10月17日 09:50 ]

<全日本野球協会 山中会長会見>会見する全日本野球協会・山中会長(撮影・郡司 修)
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 【伊藤幸男の一期一会】国際オリンピック委員会(IOC)から28年ロス五輪の追加競技に野球とソフトボールが承認されたことに、全日本野球協会(BFJ)山中正竹会長(76)は喜びとともに、さらなる野球普及へ責任感を露わにした。

 「WBSC(世界野球ソフトボール連盟)はじめ、関係者が心を一つにして精力的な活動を続けてきた努力が実を結んだ。大変うれしく思う」と第一声を発すると、5年後に向けてチームづくりの一端を披露。「大谷選手が参加するのかはこれからの話」としながら「全ての最強のメンバーで最強のチームを編成したい。東京五輪を再現できるような最強の侍ジャパンにご期待いただきたい」と明言した。

 その上で、今回の決定が日本球界にもたらす意味についても言及。「オリンピックは国際スポーツイベントとしては最高峰のものです。とりわけ日本では関心が非常に高い」としながら「2008年当時に比べると、野球人口の減少は大きく、私どもの関係する組織の野球人口は06年当時の160万人の会員数から100万人に減少しています」と衝撃的な数字を明かした。

 確かに恒常的な人口減に、スポーツに興味を持つ子供たちが幼少時から野球だけでなく、さまざまな競技を選択可能な時代背景が要因の一つではある。その現実をプロ・アマが共有しつつ、問題解消に取り組むべきと話した。

 「個人的に感じるのは2008~21年。東京五輪までの野球の不参加、これは大きく影響していると思っています。08年から12年間、10歳の子供が22、23歳まで五輪の中で野球が耳に入ってこない。それは非常に大きかった」。

 野球の追加競技承認はMLBのトップ選手が出ることで、米国内の関心が高まり商業チャンスが生まれると判断したIOCの決断があったことは否定できないが、日本が生かさない手はない。「今回のことでいい野球をWBCと同じように皆様方にお見せして、これをブリスベンにつなげていくことが野球界にとって大きな使命だと思います」。私は、32年五輪開催が決定している豪州まで熱気を継続させることが、球界の命題だと思う。
 

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