広島・新井監督「フルさんのために」天国の古沢憲司さんにささげるサヨナラ 9回坂倉決めたV犠飛

[ 2023年8月26日 06:10 ]

セ・リーグ   広島4―3ヤクルト ( 2023年8月25日    マツダ )

<広・ヤ>9回、サヨナラ犠飛を放ち、会沢(左)とハイタッチをする坂倉(撮影・平嶋 理子)
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 広島は25日、ヤクルト戦でサヨナラ勝ちし今季マツダスタジアムでの同戦を10戦全勝とした。3―3の9回無死満塁で坂倉将吾捕手(25)が2021年9月7日以来のサヨナラ打となる右犠飛を放ち、22日に死去した球団OBの古沢憲司氏(享年75)に勝利をささげた。

 巡ってきた好機は逃さない。同点の9回無死満塁。坂倉は、より気持ちを引き締めて打席に入った。カウント2―2から清水のフォークをすくい上げ、サヨナラ勝ちとなる右犠飛。チームメートから手荒い祝福を受けると、頬を緩めた。

 「チャンスはピンチなので(走者を)還すことだけを考えていた。うれしいです」

 直前の9回2死一塁で丸山和の二盗を阻止。相手の流れを断ち切り、21年9月7日の中日戦以来、自身2度目となるサヨナラ打につなげた。

 初回の3点以降はスコアボードには0が並び、4回からは膠着(こうちゃく)状態。そんな中、9回は先頭の小園の敵失での出塁を起点に無安打で満塁。最後はコイの正妻がおいしいところを持っていった。16日の阪神戦以来、7試合ぶりの打点。「(みんな)何とかという思いでやっている。それに感化されて続けてよかった」と安堵(あんど)した。

 亡き先輩にささげる1勝だった。22日に球団OBの古沢憲司氏が死去。84年には中継ぎとして日本一に貢献。引退後の13年からは広島の投手コーチを務めたほか、ドミニカ共和国のカープアカデミーでも指導にあたった。球団にとっての功労者。新井監督も悼んだ。

 「若い頃から凄く声を掛けていただいた。凄く残念。フルさん(古沢)も気にしてくれていたと思う。ドミニカのアカデミーの方でたくさん指導をされて、日本人選手だけでなく、ドミニカの歴代の選手もすごくお世話になった。みんなフルさんのためにと思っている」

 今季、マツダスタジアムでのヤクルト戦は10戦全勝となった。17年に同球場で巨人戦9連勝の記録があったが、それを上回った。きょう26日の土曜日も同球場では今季10戦全勝を誇る。もう一つの不敗神話も力に変えて勢いを加速させ、7・5ゲーム差の首位・阪神を猛追する。(長谷川 凡記)

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