赤星憲広氏 阪神・村上と巨人・戸郷の明暗分けた制球の差 捕手・坂本との信頼関係も素晴らしかった

[ 2023年8月26日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神8―1巨人 ( 2023年8月25日    東京D )

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】阪神・村上は、巨人・戸郷とのエース対決ということで絶対に先に点はやらない、と序盤は慎重だった。2―0の3回に味方守備の失策から1点を失った後、珍しく四球を2つも出すなど球数はかさんだが、それくらい慎重すぎていい。援護点を取ってもらってからは一転、大胆に入って、テンポよくアウトを重ねた。6回に秋広に初めて真っすぐを捉えられたが(右中間二塁打)、力で巨人打線をねじ伏せていた。

 捕手・坂本との信頼関係も素晴らしかった。6回無死二塁。岡本和にカウント1―2からの5球目に内角真っすぐで体を起こしてから、6球目の外角カットで一邪飛。巨人の4番打者に内角の直球は怖いが、村上は坂本からの“ボールでもいい”という意図をわかって投げていたし、坂本も村上の制球の良さを信じているからこそのサインだった。逆に戸郷はこの直球が逆球だったり甘くなったりで組み立てに苦労していた。この日の両投手の明暗はこの差だった。(スポニチ本紙評論家)

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