西武・豆田泰志 中学軟式からプロの世界へ「慣れた時の伸びしろはあるのかな」

[ 2023年8月26日 08:00 ]

西武・豆田
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 まだ20歳とは思えないマウンド度胸で、見る人を魅了する。西武・豆田泰志投手は7月21日に支配下登録され、同28日の楽天戦で1軍デビュー。早くもブルペンに必要な戦力となっている。強みはどの打者にも冷静に投球できるメンタルだ。

 19日のソフトバンク戦では、1点リードされた8回に3番手として登板。2死後「対戦してみたい」と憧れていた柳田との対決。右前に運ばれ、打者19人目でプロ初の被安打を許したが「いざ対戦したら、何も考えていない。みんな同じで良くも悪くも強打者、下位打線、上位打線も関係なく全てプロ野球のバッターという感じ」と心は落ち着いていた。打席に誰が立っていようが、自慢の直球を投げ込んでいく。展開や打者に心が揺れ動くことはなかった。

 日に日に成長していく姿に後輩たちも釘付けだ。22日、ベルーナドームでは「埼玉西武ライオンズジュニアユース」の結成式が実施された。埼玉県内の中学校から選抜された20人で構成される中学軟式野球チーム。豆田も埼玉・越谷市の千間台中から選抜メンバーに選ばれ、プロの扉を開いた一人。思い出が残る軟式ボールを贈呈し、記念撮影。憧れの的だった。

 中学も硬式野球のシニアやボーイズには入団せず、選んだのは軟式野球。「硬式に慣れた時の伸びしろは軟式の方があるんじゃないかなって感じている」。硬式よりも縫い目が薄い分、指のかかりが重要。3年間、握り続けたことで自然とスピンの効いたボールを投げられるようになり「器用なじゃないので変化球とかはあまり投げられなかったけど、結果的に直球で押していけたのかな」と言う。持ち味の「浮き上がる直球」の原点は、軟式ボールにあるのかもしれない。

 ジュニアユースの先輩として――。「もっともっと活躍する姿を見せていきたいですね」。プロのユニホームを着て、夢を与える喜びを実感していた。
(記者コラム・福井 亮太)

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