メッセンジャーの再来!? 阪神・ビーズリーに岡田監督も納得「次もいかんと」先発転向3戦目の来日初星 

[ 2023年8月4日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―2中日 ( 2023年8月3日    バンテリンD )

<中・神(18)> 3回、ピンチをしのぎ雄たけびをあげる阪神・ビーズリー(撮影・大森 寛明)
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 阪神のジェレミー・ビーズリー投手(27)が3日の中日戦で来日初勝利を挙げた。開幕当初の救援から配置転換されて3度目の先発で来日最長の5回2/3を1失点に抑えた。大竹、才木の先発2枚を欠いた今回の3連戦。救世主として勝ち越しに導き、引き分けた2位・広島を1・5ゲーム差へ引き離した。

 背番号99の救世主が小気味よくアウトを積み重ねていった。6回を投げきれなくても先発の役割を果たす力投。1メートル91、109キロのビーズリーが器用に変化球を駆使して打者を料理した。

 「変化球がスゴく良かった。真っすぐが思うようにいかなかったのでカバーできた」

 この夜は150キロ超の直球が脇役で、スライダーとカットボールが配球の主役。長打は1本も許さず、5回まで零封した。村上と並んで勝ち頭7勝の大竹を体調不良で欠き、5勝の才木も2軍で再調整中。前夜の秋山に続いて昇格組を起用する苦しい台所事情だった今回の3連戦で助っ人の意地が光った。

 救援陣の一角として開幕を迎え、チーム事情で先発に配置転換されて5月に2軍で準備を開始。そんな岐路で拍手を送ってくれたのが米国に住む父・ウェンドルさんだった。マイナー時代以来となる“真っさらな”マウンドに上がることをフェイスタイム(テレビ電話)で真っ先に報告。「“先発をやるのか!”と一番喜んでくれた。ビッグリーグ(メジャー)に行った時と同じように父は喜んでくれたんだ」。幼少期、用具やユニホームを買いそろえてくれたのがウェンドルさんで「自分がスポーツすることを全面的に支えてくれた存在」と感謝を忘れない。妻や母も挑戦を言葉で後押ししてくれた。

 「奥さんもスゴく喜んでくれて。みんな応援してくれて、支えてくれる感じが余計に自分も頑張ろうと思えた。みんながいい機会と言ってくれたことがうれしかった」

 ウイニングボールを渡す人も決まっている。1日に第1子となる長男・ウエスリー君が誕生。グラブに名前を刺しゅうして腕を振った。

 「家族が僕の全てで、家族あっての野球なので。息子ができたというのは心強いですし、そのおかげでいいピッチングもできたのかなと少し思います」

 同じブルペンで奮闘してきた仲間もバトンをつないでアシストしてくれた。“感謝”の2文字がにじむ1勝になった。(遠藤 礼)

 ○…新外国人のビーズリー(神)が来日初勝利。当初は救援で11試合登板の後、6月の先発転向から3試合目の来日14試合目。救援で来日初登板の阪神外国人投手が1年目に先発転向して勝利は、10年のメッセンジャー以来13年ぶり。11試合で救援の後、7月11日横浜戦での来日初先発初勝利を皮切りに3連勝。14度の先発で5勝(5敗)し、2年目以降は先発に定着。19年までの在籍10年で98勝。球団最多に並ぶ6度の開幕投手を務めた。

 〇…岡田監督はビーズリーを8日からの巨人3連戦(東京ドーム)で先発させることを明言した。7月30日に体調不良により「特例2023」の対象選手として登録外になった大竹について「もうちょっと(調整に時間が)かかりそうやから」と今回の中日戦に続いて再度の登板見送り決めた。前日2日に5回途中3失点で敗戦投手になった秋山とてんびんにかけて「東京ドームは秋山かビーズリーっていうような形だったけど、これはもうビーズリーでいかんと」と説明し、9日か10日に先発を任せる方向だ。

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