楽天・田中将大 8回1失点で日米196勝 直球大幅増47.5%、200勝へ原点回帰

[ 2023年8月4日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9―1オリックス ( 2023年8月3日    京セラD )

<オ・楽>8回1失点の田中将(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 楽天・田中将は配球を見直すことで覚悟を示した。8回5安打1失点で6勝目。投球結果よりも、中身が意味を持つ勝利になった。

 テーマは「原点回帰」だ。前回まで球種別では2番目に多い22.9%を占めていたツーシームを、1球も投げなかった。代わりに全101球のうち48球が直球で、前回までの20.5%から47.5%に大幅に増やした。カーブも今季最多の12球と緩急も駆使。初回に犠飛で1点を失ったが、2回以降は二塁を踏ませず、昨年9月からの自身のオリックス戦連敗を4で止め、チームの連敗もストップ。日米通算196勝目で大台へあと4勝とした。

 7月は防御率9.77と苦しんだ。4回2/3で7失点と炎上した同27日の日本ハム戦の翌日、永井投手コーチと今後の方向性について話し合った。同期入団で、13年の優勝メンバー同士の2人が導き出した答えが「ストレートの割合を増やそう」だった。「2軍コーチの時から感じていた。まだまだ強さは出せる」と同コーチ。田中将も「同じことをやっていても同じ結果にしかならない」と日々のキャッチボールから直球の精度向上を意識した。

 10年前は力強い直球と、切れ味抜群のスライダーとスプリットで打者をねじ伏せるスタイルで、リーグ優勝&日本一へと導いた。かつての自分に近づくための一歩目を踏み出し「自分のテーマをやり抜くことしか頭になかった。全体的に良かった」としつつ、「直球はまだまだ。次の登板が大事なので」。表情を緩めることはなかったが、今季中の200勝に向けて地元・関西で確かな手応えをつかんだ。(重光 晋太郎)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月4日のニュース