西武・岸潤一郎「消えた天才」が人生初サヨナラ本塁打「苦しい時期があったからこそ今がある」

[ 2023年8月4日 22:39 ]

パ・リーグ   西武3×―2オリックス ( 2023年8月4日    ベルーナドーム )

<西・オ>9回、サヨナラ本塁打を放ち手荒い祝福を受ける岸 (撮影・白鳥 佳樹)
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 快音を残した打球を目で追うことなく、西武・岸潤一郎外野手(26)は全力で走り出した。歓声が沸いて、実感が沸いた。

 2―2の9回1死。オリックス阿部のスプリットをバックスクリーン左に運ぶ3号ソロは野球人生初のサヨナラ本塁打。「最近フェンス際が多かったので、球場の雰囲気で気づいて、そこからは最高にうれしかった」。ナインからは恒例のウォータシャワー。「気持ち良かったけど、炭酸水が混じっていて目が痛いです」と手荒い祝福も初体験だ。

 足がつった長谷川に代わって8回の守備から途中出場して迎えた初打席で大仕事。「スタメンじゃない人はいつでも行けるようにバックアップしてますので、それはチーム一体となって、チームが1つになって勝っていけてるところだと思います」と胸を張る。4年目の今季は1番に座ることもあったが、7月は打率・180でスタメン機会が減少。打撃練習から早いカウントで仕留める練習を積み重ねた。

 「消えた天才」と呼ばれたことがあった。自身は甲子園に4度出場。しかし、拓大時代の2年夏に右肘じん帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、3年秋に退学。その後は母が強引に四国ILの面接を受けさせ、徳島で復活。「そういう苦しい時期があったからこそ今があるので。全然良かったなと思っています」。山あり谷ありの野球人生を歩み、最高の瞬間を味わった。(福井 亮太)

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