北別府さん葬儀にカープ選手も悲しみの参列　新井監督からご遺族にウイニングボールが渡される

[ 2023年6月19日 17:00 ]

　広島のエースとして黄金期を築き、抜群の制球力で通算213勝を挙げ、16日に65歳の若さで逝去した北別府学さんの告別式が、19日に広島市内で営まれた。また、通夜は親族と一部関係者のみで18日に営まれた。

　最後のお別れには球団関係者、コーチ、OBら191人が弔問した。弔辞はともに広島でプレーした大野豊氏（本紙評論家）が読み上げ、棺にはコップに入れた焼酎のほか、カープのメガホンやタオルなどが納められた。

　18日の通夜には、球団関係者をはじめ、チームからは新井貴浩監督、黒田博樹球団アドバイザー、中崎、松山、大瀬良、栗林ら選手も参列。祭壇で焼香をして、最後のお別れをした後、斎場に飾られた在りし日の北別府さんの勇姿を6人で見て回り、改めて悲しみに暮れた。

　新井監督は、最後のお別れをした後、「まだ信じられないというか。すごく残念です」と表情を曇らせた。広島出身の同監督にとって、北別府さんはスーパースター。「私も小さな頃から北別府さんが投げる姿をテレビでずっと見てきましたし、選手とコーチという立場だったんですけど、私が若いときに、ですね、北別府さんが投手コーチでいらっしゃった時は最初にお会いした時はすごくファン目線だったのを覚えています」と、昔をしのんだ。

　北別府さんの写真を目に焼き付けた同監督は、その人柄について「普段は物静かな方なんですけど、中にある熱い気持ちといいますか、そういうものを持たれた先輩だったと思います」と振り返り、闘病中もカープの勝利を楽しみにしていた北別府さんについては「ずっと天国から私たちを見守ってくれていると思いながら試合を日々戦っていきたいと思います」と決意を新たにしていた。

　通夜の後には、喪章を掲げ追悼試合として臨んだ16日・西武戦のウイニングボールを、同監督からご遺族に渡した。

　以下は、主な談話。

　▼広島・黒田球団アドバイザー　僕自身はコーチと選手の間柄で同じユニホームを着させてもらいましたけど、たくさんアドバイスをいただいた。投手として、そしてエースとして、体の中に本当にアドバイス一つ一つがDNAというか、体の中に染みこんでいったと思う。それがあったから今の自分があると思う。北別府さんの遺志をこれから僕たちが次の世代、次の世代に継承していかないといけないと改めて思った。

　▼広島・松山　鹿児島出身の大先輩ですし、すごく残念。鹿児島出身の選手として、1日でも長く1年でも長くプロ野球選手を続けられるように、とにかく頑張ってくれと、いつも言われていた。本当に気にかけてもらって、応援してもらって本当にありがたかった。

　▼広島・中崎　地元が一緒ということで、キャンプ中や球場に来られた時に声をかけてもらっていましたし、本当にありがたかった。天国からカープのことをこれからも見守ってくれると思うので少しでも多くの勝利を届けられるように精いっぱいやっていきたいと思う。

　▼広島・大瀬良　本当に勝負になると厳しいお言葉をかけてくださったりはしたんですけど、一歩グラウンドを出たり、オフシーズンになると優しく笑顔で接してくださったことは覚えていますし、いろんなことが頭をよぎる。天国で安心してカープを見ていただけるように1日1日全力で頑張っていきたい。

　▼広島・栗林　本当は野球を教えて欲しかった、野球の話をしたかったというが一番の気持ち。北別府さんのカープ愛を背負って、北別府さんに、20番をつけて良かったと言ってもらえるように活躍、成績を残せたらと思う。同じ背番号として恥じない成績、恥じない姿を見せたいと思う。