初先発の広島ドラ5・河野にプロの洗礼2被弾 2軍再調整へ「両サイドの真っすぐの精度高めたい」

[ 2023年6月19日 06:30 ]

交流戦   広島4―11西武 ( 2023年6月18日    マツダ )

<広・西>5回、逆転を許した河野(撮影・平嶋 理子)
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 広島ドラフト5位・河野佳投手(21)が18日の西武戦でプロ初先発に挑み、5回5失点でプロ初黒星を喫した。3回までは被安打0で4奪三振の好投。4、5回に手痛い被弾で逆転され、敗戦後に2軍での再出発が決まった。19年から昨季まで開催3季連続で最下位など“鬼門”だった交流戦は9勝9敗の勝率5割で終了。新井貴浩監督(46)は23日からのリーグ戦再開へ確かな手応えを強調した。

 初先発でプロの洗礼を浴びた河野は唇をかみしめた。4回2死までは無安打に抑える上々の内容。中盤の要所で一発攻勢に沈んだ。特に5回は勝利投手の権利を目前に逆転を許し、肩を落とした。

 「勝ちたかったですけど、できなかった。また次頑張ります」

 3―0の4回は2死からマキノンの左前打と暴投で二塁に走者を背負い、長谷川にはファウルで粘られた末の8球目に浮いた直球を左中間席に運ばれた。1点リードで迎えた5回は1死から源田の右翼線三塁打と鈴木の左犠飛で同点。2死無走者から死球で再び走者を出し、渡部にはカウント1―1から高めの直球を左翼席へ打ち込まれた。

 「(リードを守りたいとは)あんまり考えずにやっていた。失投をしっかり打たれた。走者をためての長打が多かった。(無駄な)死球も失点につながってしまった」

 ブルペン陣の一人として開幕1軍入り。3試合に救援して計2回1/3、1失点だった。4月15日のヤクルト戦を最後に登板がなく、同21日に登録外。2軍では3度の先発で準備し、今月8日のウエスタン・リーグでは最長7回111球を投げて今回の抜てきにつなげた。

 大阪ガスでは2年目の21年に主に先発を担ってベストナインを受賞。適性は疑う余地はない。実際に4回までは毎回6奪三振。決め球も直球、カットボール、スライダー、フォークと多彩だった。序盤の内容をいかに継続するか。新井監督は「打たれた球はちょっと甘く入っている」と振り返り、「抑えても、打たれても勉強。今後の糧にしてもらいたい」と背中を押した。

 小学6年時に広島に転居。実家はマツダスタジアムから徒歩圏内で、少年時代はファンクラブに入会して毎日のように球場に足を運んだ。思い出の場所に家族を招待した晴れのマウンド。敗戦後に2軍での再調整が決まった。「両サイドの真っすぐの精度をしっかり高めていきたい」。まだ6月。雪辱の時間は十分にあり、その可能性も示した。(長谷川 凡記)

 ◇河野 佳(かわの・けい)2001年(平13)8月23日生まれ、兵庫県加古川市出身の21歳。広陵(広島)では1年秋からベンチ入りし、2年夏と3年春に甲子園出場。大阪ガスでは21年の社会人野球日本選手権で3勝を挙げて優勝に貢献しMVP。22年ドラフト5位で広島入り。今季は開幕1軍入りを果たし、3月31日ヤクルト戦に中継ぎでプロ初登板。1メートル75、82キロ。右投げ右打ち。

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