北別府さんと悲しみの対面　黒田博樹氏、涙止まらず「たまに見せる優しさ、笑顔は忘れられない」

喪主にあいさつをし、涙を流す新井監督（左）と黒田氏
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　広島のエースとして黄金期を築き、抜群の制球力で通算213勝を挙げ、16日に65歳の若さで逝去した北別府学さんの告別式が、19日に広島市内で営まれた。また、通夜は親族と一部関係者のみで18日に営まれた。

　最後のお別れには球団関係者、コーチ、OBら191人が弔問した。弔辞はともに広島でプレーした大野豊氏（本紙評論家）が読み上げ、棺にはコップに入れた焼酎のほか、カープのメガホンやタオルなどが納められた。

　18日の通夜には、球団関係者をはじめ、チームからは新井貴浩監督、黒田博樹球団アドバイザー、中崎、松山、大瀬良、栗林ら選手も参列。祭壇で焼香をして、最後のお別れをした後、斎場に飾られた在りし日の北別府さんの勇姿を6人で見て回り、改めて悲しみに暮れた。

　黒田氏は、北別府さんの写真を見ながら、妻・広美さんと話しているうちに涙が込み上げ、肩を揺らして嗚咽を漏らした。「本当にビックリしましたし、本当に最後まで頑張られたのかなと、そういうのを感じました」と気丈に話した。

　北別府さんのコーチ時代に、選手としてプレー。「たくさんアドバイスをいただいて、ピッチャーとして、そしてエースとして、体の中に本当にアドバイス一つ一つがDNAというかね、体の中に染み込んでいった。それがあったから今の自分がある。北別府さんの遺志をこれから僕たちが次の世代、次の世代に継承していかないといけないと改めて思いました」と、球団アドバイザーとしての責任を痛感していた。

　北別府さんについては「グラウンド上では本当に厳しい方。プロの厳しさを教えてもらいましたし、エースとしての厳しさをたくさん教えてもらいました」と語る一方で、「そういう中でたまに見せる優しさ、笑顔は忘れられない。ふと見せる優しさとか柔らかさというのはね、今でもすごくね。もちろんすごくシャイな方で、なかなか見せてくれないですけど、優しさはすごく感じました」と振り返った。

　写真を丁寧に見ていたことには「ああやって見ると、すごくさみしいなと思いますし、まだまだたくさん話をしたかったなと思います」とポツリと語り、様々な薫陶を受けたことを振り返り「今の僕があるのは北別府さんのおかげだと思っている」と結んでいた。