♪走るー走るー俺たちー♪ 広島・新井流“走塁改革”「失敗してもいい、どんどんトライして」

[ 2023年2月8日 05:00 ]

小窪ーチ(右)とシート打撃を見つめる新井監督(撮影・奥 調)
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 広島は7日、宮崎・日南市で実施している春季キャンプで初の実戦形式となるシート打撃を行った。注力したのは走塁面。大半は一塁に走者を置いた場面設定とし、果敢に次の塁を狙った。昨季の12球団最少かつ球団ワーストの26盗塁に終わった反省を踏まえての改革着手。新井監督は改めて、積極走塁を呼びかけた。

 ♪走るー走るー俺たちー、次のー塁を狙うためーにー♪若ゴイたちの頭の中には、そんなメロディーが流れていたのだろう。積極果敢な走塁に、新井監督も目を細めた。

 「(積極的な姿勢は)高まっている。失敗してもいいから、どんどんトライしていこうと。結果は関係ないから、とりあえずいってみようと。積極的な姿勢は見せてくれているなと思う」

 走塁改革に本格着手した。26盗塁は昨季12球団最少かつ、球団ワースト。指揮官は就任時から、伝統の機動力を取り戻すことを指針に定めていた。今キャンプ初の実戦形式となったシート打撃では、その思いが浸透。投球、打撃だけではなく、走塁も重要視した。

 俊足が持ち味の選手だけではなく、若手の大半が入れ替わりで走者を務めた。ほぼ走者一塁の状態で行われ、矢野、大盛、宇草ら5選手が盗塁を企図。2度のスタートを試みた矢野は「いいスタートが切れた。走塁に関しては良かった」と手応えを口にし、宇草も「力みすぎないで、自分の間合いでスタートする意識を持っている」と高い意欲を見せた。

 盗塁だけでなく、バッテリーミスや、外野からの送球間など、わずかな相手の隙も見逃さない。2死二塁で大盛が中前打を放つと、中堅手の宇草は本塁へ送球。その瞬間、打者走者の大盛は一気に二塁へ向かった。同じく2死二塁では遠藤の投球を捕手・坂倉がわずかに前にはじくと、二塁走者の羽月が迷うことなく三塁を陥れた。今は走塁の技術を語る前に、失敗を恐れない積極的な姿勢を植え付けている最中。赤松外野守備走塁コーチもナインの背中を押す。

 「“多少強引になってもいいから”と言っている。飛び出して挟まれるのも、一応根拠があってのもの。(意図を)聞いてあげて後押ししたい。秋山、西川、野間など、いつも試合に出る選手にも意識させていきたいと思う」

 突っ走った先には、最高のゴールが待っていると信じ、家族一丸で課題克服を目指す。(長谷川 凡記)

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