Rソックス・吉田正尚が覚悟の渡米 メジャーで侍で活躍へ“ギリギリ調整”

[ 2023年2月8日 05:25 ]

手を振り、保安検査場に向かう吉田(撮影・木村 揚輔) 
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 ポスティングシステムでオリックスからレッドソックスに移籍した吉田正尚外野手(29)が7日、春季キャンプに備えて渡米した。3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に侍ジャパンの一員として出場するスラッガーは、開幕直前の3月4日に合流する見込み。キャンプ地のフロリダ州フォートマイヤーズでギリギリまで調整し、新天地でも侍ジャパンでもV奪回に向けてフル回転する覚悟だ。

 晴れやかな笑顔に、ここまでの準備への手応えがにじんでいた。吉田は黒のスエット上下、白いスニーカー姿で、羽田空港国際線の出発ロビーに姿を見せた。長時間フライトに備えた、カジュアルなスタイルだった。

 「メジャー挑戦、WBC出場は僕の夢でした。出場を認めてくださった球団には大変感謝している。世界一になって恩返しできるよう、ベストを尽くしたい」

 1月26日のメンバー発表の際、そう決意を語った。昨年12月上旬、レッドソックスと総額9000万ドル(約118億8000万円)で5年契約。メジャー移籍を実現させて臨む年に、WBCにも出場する。同時にかなった2つの夢を最高の結果で終えるための決断が、今回のスケジュールにも垣間見えた。

 レ軍では日本時間21日にキャンプインし、同26日から始まるオープン戦に出場する。吉田本人は当初、侍ジャパンへの早期合流を強く希望していたというが、メジャー組は壮行試合4試合に出場できないこともあり、17日からの宮崎合宿には参加せずに米国で調整。合流は、東京開催の1次ラウンド出場チームの集合日の3月4日となる見込みだ。時差ぼけの懸念もいとわず、WBC管轄に入る6、7日の強化試合(対阪神、オリックス=いずれも京セラドーム)に出場し、日本の初戦となる9日の中国戦に臨む予定となっている。

 17年の前回大会に唯一、日本人大リーガーとして参戦したアストロズ・青木(現ヤクルト)も開幕から5日前と直前の合流。しかし、当時の青木は米球界6年目だった。状況も立場も全く異なる吉田は、過酷な挑戦を自ら選択した。栗山監督は当初、米移籍1年目の環境への適応の必要性を気遣い招集に消極的だったが、本人から出場への強い意欲を感じて「それだけの魂があれば、もう力を借りるしかない」と決断。吉田も“弾丸スケジュール”で期待に応える。

 羽田空港では取材対応こそなかったが、カメラマンに手を振り、さっそうと保安検査場に向かって機上の人になった。初出場となるWBCで侍ジャパンに09年以来14年ぶりの歓喜をもたらし、レ軍では18年以来5年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献する。

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2023年2月8日のニュース