西武・平良「1センチ」ずらして「完成度100%」の弾丸ツーシーム 新武器携え先発転向

[ 2023年2月8日 05:20 ]

ブルペンで投球練習する平良 (撮影・白鳥 佳樹)
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 【キャンプ追球 数値にFOCUS】右打者の内角をいかに攻めるか。右投手にとって沈みながら懐に食い込ませるツーシームは最も効果的だ。先発に挑戦する西武・平良も習得を目指し、キャンプ初ブルペンで改良を加えた。右手中指と人さし指を1センチずらし、ボールの縫い目にかける。1月の自主トレ期間は縫い目にかけない握りでも投じるなど試行錯誤を続けたが、「かけた方がしっくりきた。完成度は100%。試合で使えるくらいの感じ」と確かな手応えをつかんだ。

 わずか1センチの変化で強力な武器に変わった。測定分析機器ラプソードで測ると、ツーシームは握りを変えたことで20センチ沈み、10センチほどシュートする軌道が生まれた。球速もこの日最速だった直球の152キロに近い、140キロ台後半。目慣らしで打席に入った右の主砲・山川は「絶対(打つことは)無理」とのけぞり「内角にあのスピード感で来られたら、打ちづらい球にもちろんなる」と効果を保証した。平良も「数値と一流の打者の感覚も合わせられたので面白い投球だったし、自信になった」と振り返る。

 昨季は75三振を奪ったが、右打者からは左打者よりも少ない32個。そのうち内角は6個と少なく、外角に偏った配球だった。「昨年はスライダー系しかなかったので(右打者に)踏み込まれている部分も感じた。内側に何か一つあると思わせたい」。スライダーと逆に変化するツーシームがあれば、両コーナーを攻めて的を絞らせない投球が可能となる。

 理想は最速160キロの直球より3、4キロ遅い150キロ台後半。打者の手元で動かす速球で打ち損じを誘えば、先発として球数を抑えることもできる。球界を代表する救援投手の再出発。「弾丸ツーシーム」が成功の鍵を握る。(福井 亮太)

 ▼西武・松井監督(先発挑戦の平良について)本人のトライする気持ちも含めて、しっかり見ていきたい。

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