DeNA・松尾 あるぞ!セ初の高卒新人開幕マスク 初シート打撃で2安打、三浦監督「凄い」

[ 2023年2月8日 05:00 ]

シート打撃でDeNA・三浦(左)から中前に安打性の当たりを放つ松尾。後方右は三浦監督(撮影・島崎 忠彦)
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 DeNAのドラフト1位ルーキーの松尾汐恩捕手(18=大阪桐蔭)が7日、沖縄・宜野湾キャンプで初めて行われたシート打撃でいきなり2安打。1軍での登板実績のある京山将弥投手(24)から右前打を放つなど潜在能力の一端を示した。「打てる捕手」となれる逸材がこのままアピールを続ければ、セ・リーグでは史上初となる高卒新人捕手の開幕スタメンを勝ち取る可能性も十分だ。

 非凡な才能があることを見せつけた。松尾は走者一、三塁の想定で打席へ。3ボール2ストライクから京山が投じた6球目だ。内角高めの直球に反応は遅れたが体全体を使ってバットを押し込んだ。打球は逆方向の右前にポトリ。実戦初打席で初安打を記録し「シンプルに差されました。でも、しっかり振った結果」と胸を張った。

 相手は昨季9試合に先発して2勝を挙げた京山。1軍実績のある投手から約1カ月前まで高校生だった18歳が安打を記録した。これだけでは終わらない。2打席目は三浦が投じた4球目のカットボールに反応して中前打。「いい感触。しっかり対応できた」と笑った。

 高卒1年目でA班(1軍)キャンプに抜てき。98年に横浜(現DeNA)を日本一に導いた谷繁(元中日)と同様に打者として、捕手としてもできるだけ早く一流投手を経験させるためだ。高校通算38本塁打で、甲子園大会通算5本塁打を放つなどスター性も十分。近年ではめっきり少なくなっている「打てる捕手」になれる逸材がいきなり記録した2安打に三浦監督も「全て自然にできている。凄い」と目を丸くする。

 高卒新人だろうが、10年目のベテランだろうがグラウンドに立ったら関係ない。このままアピールを続ければ、戸柱、伊藤らを抑えて高卒新人捕手ではセ・リーグ史上初の開幕スタメンも夢ではない。実際、昨年はロッテ・松川が史上3人目の快挙を達成している。相川チーフ作戦兼バッテリーコーチも「Z世代と言われる人は凄い。(開幕スタメンを)あおるつもりはないが楽しみ」と期待する。

 この日は牧から「軸をしっかりブレさせないように」という助言も受け、すぐに実践して2安打につなげた。日々成長を続ける背番号5。1200人の観衆は輝かしい未来を想像したに違いない。(大木 穂高)

 ≪Dバックス傘下コーチがメジャー級評価≫松尾はシート打撃でマスクもかぶり、阪口の投球を受けた。8選手に対して約30球を投じた右腕の投球を無難に受けるなど、高卒新人とは思えない落ち着きぶり。戦略的パートナーシップを締結している関係で、この日からダイヤモンドバックス傘下のマイナーチーム所属で特別コーチとして参加したラミー・ガルシア投手コーチも「高卒1年目とは知らなかった。(アストロズの主力捕手の)マルドナドのようになれる」と絶賛した。

 ≪パでは過去3人 銀仁朗のみ安打≫2リーグ制後、新人捕手の開幕戦先発出場は13人。チームでは16年社会人出身の戸柱がおり、松尾がスタメンなら7年ぶり2人目。また、高卒に限ると55年谷本稔(大映)、06年炭谷(西=現楽)、22年松川(ロ)と3人いて全てパ・リーグ。松尾がスタメンなら4人目でセでは初めてだ。なお、高卒捕手のうち開幕戦で安打をマークしたのは炭谷(1安打)だけ。松尾が打てば17年ぶり2人目になるがどうか。

 ◇松尾 汐恩(まつお・しおん)2004年(平16)7月6日生まれ、京都府出身の18歳。川西小1年から野球を始め、精華中では「京田辺ボーイズ」に所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。2年春から4季連続甲子園出場し、3年春に優勝を果たした。甲子園通算5本塁打。同年夏のU18W杯でベストナイン。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

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2023年2月8日のニュース