【阪神大震災28年】阪神・馬場コーチ「がんばろうKOBE」思い結実 今季は同僚だった岡田監督支える

[ 2023年1月17日 05:15 ]

95年のオリックス・馬場

 阪神大震災から28年が経過した。当時オリックスに在籍し、今季から阪神の内野守備走塁コーチを務める馬場敏史氏(57)が「1・17」を振り返った。

 馬場氏は「あっという間の28年」と回想した。94年、ダイエー(当時)からの移籍1年目を終え、三塁の定位置獲りを目指した95年。4日前の13日に大阪で妻・美由紀さんの第一子出産に立ち会い、16日に神戸の自宅へ戻った矢先の被災だった。

 食器が数枚割れただけで済み、家への被害が大きくなかったのは不幸中の幸いだった。しかし、あちこちで火の手が上がる町の様子や状況を伝える報道を目にし、頭をよぎったのは「今年野球できるのか…。こんなんで試合していいのか…」という恐怖にも似た感情。当時、満足できる自主トレをやった記憶はない。「練習先に行っても、帰るのが大変」。当たり前だった移動の自由すら奪われた。

 もちろん、開幕が待ってくれることはない。限られた環境の中でも急ピッチで調整を進め、「がんばろうKOBE」の旗印の下、青波戦士は一丸となった。馬場氏はつなぎの2番として自己最高の115試合に出場。リーグ最多の29犠打を決めた。「被災した中でも、多くのファンが見に来てくれた。その力をお借りした。優勝して喜ばせたかった」。思いは結実した。

 今季から、当時の同僚だった岡田監督を支える。「スター選手なのに気さくに接してくれた。岡田さんの野球をしっかり理解して臨みたい」。立場は変わっても、復興の一助となりたい信念は変わらない。(八木 勇磨)

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2023年1月17日のニュース