【阪神大震災28年】オリ・波留コーチ 震災当時感じた「スポーツの力」次は選手育てて関西盛り上げる

[ 2023年1月17日 05:00 ]

めくれあがるように横倒しになった阪神高速道路の高架(毎日新聞社ヘリより)

 阪神大震災から28年が経過した。震災当時横浜に在籍し、今季からはオリックスの育成チーフコーチを務める波留敏夫氏(52)が「1・17」に思いをはせた。

 あの朝、波留コーチは横浜の自宅で目覚めた。テレビをつけると画面に信じられない光景が広がっていた。

 「マンションが焼けていたり、高速が倒れていたり、ほんまにこんなことがあるのか。戦争みたいやなと」

 急いで京都・山科の実家に連絡を取ると、両親は無事だった。被害もそれほど大きくなかった。だが、神戸に住む知人とは長い間、連絡が取れなかった。当時は横浜でプロ2年目。リーグは違うがオリックスの快進撃と神戸の盛り上がりは印象に残っている。

 「スポーツの力を感じた。オリックスは関西にすごいパワーを与えてくれたと思う」

 縁あって今季から育成チーフコーチとしてチームに加わった。

 「指導者としては初のパ・リーグ。ぼくもしっかり勉強しないといけない。支配下を勝ち取り、1軍で活躍してくれる選手を一人でも多く育てたい。関西を盛り上げたいね。関西は阪神人気が強いので、もっとオリックスをメジャーにしたい」

 あの当時でもなしえなかったリーグ3連覇、日本一2連覇がかかる今季。その原動力となる若手の育成に熱血漢は燃えている。(中澤 智晴)

 ◇波留 敏夫(はる・としお)1970年(昭45)5月25日生まれ、京都府出身の52歳。大谷から社会人の熊谷組を経て93年ドラフト2位で横浜に入団。主に外野手として横浜、中日、ロッテで通算913試合に出場し872安打、打率.278、44本塁打、266打点。04年に引退し、解説者を経て06年から横浜(DeNA)、中日でコーチを歴任。今季からオリックスの育成チーフコーチ。

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2023年1月17日のニュース