ニューヨークタイムズ紙がメッツの千賀滉大とお化けフォークを特集

[ 2023年1月17日 09:56 ]

メッツの入団会見で、背番号34のユニホームを披露した千賀
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 ニューヨークタイムズ紙が16日(日本時間17日)メッツに入団した千賀滉大投手(29)と“代名詞”とも言える「お化けフォーク」を特集した。

 現在パドレスに在籍するニコラス・マルティネスはパリーグで4シーズンプレーした経験から、東京五輪に臨んだ米代表に「フォークには手を出すな」と注意し続けた。それでも打者はバットが出てしまい「打てると思った瞬間にボールが消える。見えない」と首をかしげていたそうだ。今、メッツファンのみならず、米国の野球ファンがお化けフォークをその目で見るのを楽しみにしている。もっとも目で追うことができるならの話だが…。

 マルティネスはメジャーでは千賀の奪三振数がむしろ増えるのではとも考えている。経験から日本の打者はバットに確実に当ててくるアプローチなのに対し、メジャーはホームランか空振りかの大振りの打者が多いと知っているからだ。大谷翔平、ダルビッシュ有にとっても、日本の投手がMLBに来るのはチャレンジだった。

 ただ千賀は高校時代に甲子園で投げたことはなく、NPBに入団も育成選手として。だから高いレベルにチャレンジするのは新しいことではない。ソフトバンク・ホークスでチームメートだったリック・バンデンハークは「米国ならドラフト外からメジャーに上がることだ」と例えている。メッツのビリー・エプラーGMも「育成からNPBの公式戦に出られるようになる選手は少ないしスターにもなれない。(千賀は)常に自分をより良くしようと取り組んできた」と入団会見で称えていた。

 ベテラン右腕のデービッド・ロバートソンは、このオフにメッツと1年契約。過去にヤンキースで田中将大、カブスでは鈴木誠也とチームメートになった経験がある。そこで日本から来た選手は最初、米国の気候に慣れるのに苦労すると指摘する。「北の方のチームだとシーズン序盤の寒さが厳しい。日本はドーム球場が多いから、すぐにこの寒さに慣れるのは難しい」と言う。フォークボールの使い手としては、メジャーでも60年代から70年代に活躍したゲーロード・ペリー、80年代から90年代に投げたジャック・モリス、デーブ・スチュワートなどがいるが、最近はほとんどいなくなった。腕を痛めると信じられているからだ。

 スチュワートはその考え方に「ケガをするのは投げ方が悪い投手」と反対する。そして千賀を絶賛。「フォークは真っすぐと同じ投げ方をすることが大事で、千賀はまさにその通り。全てが同じに見えるし、ボールがよく落ちている」と言う。東京五輪の米国代表だったロバートソンは「突然、テーブルから下に落ちる感じ、真下に落ちていた」と表現している。

 バンデンハークは「相手打者は混乱するだろう。しかも千賀のフォークはコントロールも良い。通常フォークはコントロールしにくい球なのにね」と言う。マルティネスは千賀にはパドレスに入団して欲しかったそうだ。「メッツが獲得したのはチームに違いをもたらせる投手。パドレス戦以外はうまく行くことを祈っている」と話していた。

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2023年1月17日のニュース