ソフトB・三浦 オーストラリアのウインターリーグ参戦で成長 支配下へ「育成の全員抜く」

[ 2023年1月17日 05:00 ]

気合の入った表情で投球を行う三浦(撮影・中村達也)
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 武者修行の成果を見せつける――。毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第11回は、大卒育成左腕の三浦瑞樹投手(23)。入団1年目でウエスタン・リーグでは先発として定着し4勝を挙げた。オフには風間とオーストラリアのウインターリーグに参戦し、初の海外試合で成長を感じ取った。2年目の今季も、2桁背番号となる支配下登録に向けたアピールを続ける。

 武者修行を終えた三浦のたくましさと手応えは増した。昨年11月の中旬から、12月18日までオーストラリアに滞在した。同国、韓国のチームに交じって計4試合に登板。中継ぎで3試合、最後に先発した後に帰国した。

 「1年目で海外に行かせてもらい、いい経験でした。外国人打者は直球に強い。“どこまで通用するか試してこい”と言われていたので攻めた。直球でファウル、空振りが取れた。そこは良かった」

 オーストラリアへの派遣選手は右の剛腕・風間との2人だった。だが、11月11日の出発直前に左腕は新型コロナ陽性判定を受けた。自主隔離期間を経て1週間遅れて現地に合流も、たまたま最初の登板予定試合が雨で中止になったため、予定登板を消化できた。

 「4試合で4失点、防御率は2点台でした。打たせて取ることもできた。各試合で1、2球くらい抜け球があって失点につながった。一球一球を大事に、大きなミスをしない。高校の修学旅行以来の海外で学んだので、生かしていきたいです」

 盛岡大付(岩手)から東北福祉大を経て21年育成ドラフト4位入団。最速147キロの直球の切れと制球力を武器に1年目からウエスタン・リーグに登板した。「後半から先発として回してもらえた。起用に感謝しています」。11試合で4勝0敗、防御率2・60。大崩れしないゲームメークと安定感を評価された。

 今の背番号は「140」。2年目での目標は、2桁背番号となる支配下登録だ。「(背番号)2桁を狙って、2桁で投げて活躍する。活躍するために入団しましたから。育成の全員を抜いて認められるように」と意気込む。

 理想の左腕はDeNAの今永。大学時代から気迫の投球を参考にしてきた。「投げっぷりや向かっていく姿が凄い。自分も投げっぷりを見せていきたい」。経験値を上げた三浦が今季、大胆にアピールを仕掛ける。(井上 満夫)

 ◇三浦 瑞樹(みうら みずき)1999年(平11)9月2日生まれ、神奈川県大和市出身の23歳。大和中央クラブで野球を始め、中学時代は横浜瀬谷ボーイズでプレー。盛岡大付(岩手)では2年夏、3年春夏に甲子園出場。東北福祉大時代は大学日本代表候補。21年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。1メートル74、76キロ。左投げ右打ち。

 《高卒6年目の尾形は直球に手応え》

 高卒6年目右腕、尾形はハイペースで調整している。昨年は12月31日まで調整し、年始も1月2日から始動。昨季から腹部に違和感があり、良性の腫瘍を11月に手術で摘出したが、9日に無事リハビリ組を卒業した。「もう大丈夫。キャンプもアタマからいけます」。それまではペイペイドームと筑後市のファーム施設の両方で単独自主トレを続ける。

 昨季は9試合で1勝。2被弾で6四球、11三振だった。初登板となった4月5日のオリックス戦で2回1安打零封。プロ初白星を挙げた。「去年、初勝利できた。今年は絶対にやる責任がある。圧倒的な成績を求めたい」と中継ぎで開幕1軍入りを目指す。

 今季への課題は見えている。「1試合で良かったり悪かったり。四球も多かった。制球のムラをなくす。結局は直球。シュート回転しない直球。縦回転の直球をもう一度」。最速153キロの真っすぐを質から改善中だ。

 昨季、2軍ではウエスタン・リーグ3位の10セーブを含む33試合で3勝3敗、40三振。抑えの仕事はできた。1軍の中継ぎ陣の層は厚いが「直球が良ければ(1軍に)入れる。周りの人は見ていない。自分ができれば、やれると思っている」。この自信を2月のキャンプにぶつける。

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