杉田玄白の子孫・広島ドラ6の長谷部が仮契約 尊敬する“教科書”栗林さんとトヨタリレー結成誓う

[ 2022年11月25日 05:00 ]

仮契約を終えてカープ帽をかぶるトヨタ自動車・長谷部(撮影・河合 洋介)
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 広島からドラフト6位指名されたトヨタ自動車・長谷部銀次投手(24)が24日、名古屋市内のホテルで交渉し、契約金3500万円、年俸800万円で仮契約を結んだ。背番号39に内定し、1年目の目標には同社OBである栗林良吏投手(26)との「トヨタリレー」結成を設定。「解体新書」で知られる杉田玄白の子孫で、偉人に負けない活躍を誓った。

 長谷部は「解体新書」に刺激を受けた初のプロ野球選手に違いない。母方の祖先に蘭学(らんがく)者の杉田玄白がいるのだ。さらに「君が代」の国歌選定に関与した英学者や世界的昆虫学者など、親戚に教科書級の歴史上の人物が並ぶ。「先祖の方々は何かを突き詰めてきた。僕も何かを見つけたい」。自身は辛抱強く野球と向き合い、球界に功績を残すつもりだ。

 「社会人出身なので即戦力として期待されていると思う。1年目から勝ちパターンに入り、栗林さんにつなぐ場所で投げたいです」

 杉田玄白は蘭方(らんぽう)医の前野良沢らを相方としてオランダ語の医学書を翻訳し、解体新書を完成させた。長谷部がコンビ結成を熱望するのは、トヨタ自動車の先輩にあたる栗林だ。同社で栗林が背負った背番14を引き継いだ縁もある。

 「栗林さんは目標とする投手。取りたいところで三振が取れますし、1年間通して安定した結果を残されている。尊敬しています」

 社会人では救援投手として重宝された。最速150キロの直球を武器に、強気に内角を攻める投球を持ち味とする。「チームが苦しいときに勇気や勢いを与える役割を担ってきた。カープでも変わらず、任された場面でしっかりとアウトを取りたい」。チームには救援左腕の枚数が不足気味。長谷部―栗林とつなぐ「トヨタリレー」が1年目から結成される可能性は十分にある。

 「(中継ぎは)凄くやりがいのある役割。社会人では中継ぎとしてたくさんの経験をさせてもらえた。自信を持って投げられるかなと思います」

 ドラフト6位での入団は新井監督と同じだ。「6位指名から猛練習をして日本を代表する選手になったと聞きました。チームの中心選手になれるように6位からはい上がりたいです」。努力が報われることは祖先が証明済み。「トヨタリレー」で新たな歴史をつくる。(河合 洋介)

 ☆生まれ&サイズ 1998(平10)年7月29日生まれ、愛知県岡崎市出身。1メートル84、85キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小1で野球を始め、岡崎市立竜海中までは軟式。中京大中京では1年春の東海大会から背番号20でベンチ入り。慶大ではリーグ戦通算7試合に登板。トヨタ自動車では22年の日本選手権で救援投手として優勝に貢献。

 ☆名前の由来 父・光泰さんは植物研究者。縁起が良いとされる銀杏(いちょう)の「銀」と次男の「次」から「銀次」。

 ☆好きな芸能人 有村架純。出演するシャンプーのCMに魅了されて「パンテーン買っちゃいました」。

 ☆サウスポー 左利きでペンも左手で持つ。「左で書いているだけで賢く見える。得しました」

 ☆趣味 サウナ。慶大時代からハマり「流行する前からです」。

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