「甲子園塾」3年ぶり開催に、山下塾長「皆さんと勉強」 智弁和歌山・中谷監督の「心に火を付ける方法」

[ 2022年11月25日 18:48 ]

甲子園塾に集まった全国の指導者たち(25日、日本高校野球連盟中庭)
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 日本高校野球連盟(高野連)が若手指導者育成のために開催する研修会「高校野球・甲子園塾」が25日、大阪・江戸堀の中沢佐伯記念野球会館で始まった。コロナ禍で開催は2019年以来3年ぶり。受講者は教員で指導歴が原則10年未満の監督、部長で21人が全国から集まった。27日まで2泊3日で開かれる。

 開講式で山下智茂塾長(77=星稜名誉監督、元日本高野連技術・振興委員会副委員長)は2008年にた尾藤公塾長(元箕島監督、2011年他界)と始めてから受講者は500人以上、甲子園出場を果たした指導者も20人を超えたと紹介し、「甲子園を決めたという報告を聞き、何度も感動してきた。皆さんも続いてください」とあいさつ。3年ぶり開催とあって「その間、ノックも打っていないので、不安ばかりだが、皆さんとともに勉強する気持ちでいる」と話した。

 今回の特別講師は元高知商監督で日本高野連技術・振興委員の正木陽氏(62)と智弁和歌山監督の中谷仁氏(43)、北海道高野連の横山泰之専務理事。

 初日は座学。中谷氏は受講者から質問を受けつけた。寮生活でふれあう、最近の選手の傾向について問われ「SNSの影響か、自分の意見を言って批判されるのをすごく恐れる傾向にある」と話した。「アンチ中谷の声もある。周りの声に過剰に反応せず、覚悟を持って監督をやっている」。

 また、ある県立高監督から「私学には勝てないという生徒の心にどう火を付けるか」という質問に「智弁和歌山でも大阪桐蔭に勝てない、負けても仕方ないという雰囲気の時期があった」と打ち明け「相手に勝てるための練習メニューを示し、数値を示してやる気を高めていった」との経験談を披露した。

 正木氏は高知商3年、1978(昭和53)年夏の甲子園大会で準優勝した。PL学園との決勝戦の映像を見せながら、「当時と今では全く違った野球のようだ。それでも、ボールに食らいつく姿勢、ポテンヒットで勝負が決まるという姿勢は今にも通じているのではないか」と話した。

 26~27日は実技編。また、12月9~11日には本年度の第2回研修を行われる。  (内田 雅也)

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