山田哲人「素直にうれしい」も「まだ2勝しただけ」 ファンの存在は「プロ野球選手全員がパワーの源」

[ 2022年10月25日 22:37 ]

SMBC日本シリーズ2022第3戦   ヤクルト7―1オリックス ( 2022年10月25日    京セラD )

<オ・ヤ>殊勲打の山田は帽子を取ってファンにあいさつ(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルトのキャプテン、山田哲人内野手(30)が2年連続で同じ顔合わせとなったオリックスとの日本シリーズ第3戦(京セラD)で先制そして決勝の1号3ラン。チームを無傷の2連勝(1分け挟む)へと導いた。あす26日の第4戦も勝つと、球団初の2年連続日本一に王手がかかる。

 第2戦まで10打席無安打5三振と打撃不振。この日は第2戦までの「3番・二塁」から「1番・二塁」に打順変更となり、第3戦に臨んだ。3回の第2打席で相手先発左腕・宮城から全力疾走で二塁への内野安打をもぎ取り、通算12打席目で待望の今シリーズ初安打。すると、“お目覚め”の一発が飛び出したのは0―0のまま迎えた5回だった。中村、サンタナの連打で無死一、二塁とするもキブレハン、長岡が倒れて2死一、二塁。ここで打席に入った山田は初球ストライクの後の2球目、宮城が投じた低めへの147キロ直球を叩いた。高々と上がった打球を見上げる山田。左翼フェンスをぎりぎり越える先制3ランとなると、笑顔は見せず、口元を真一文字に結んでダイヤモンドを一周した。主将の一発に勇気づけられた打線は11安打7点。投打かみ合っての快勝となった。

 試合後、敵地でヒーローインタビューに臨んだ山田は「素直にうれしいです…。はい」とかみ締めるように第一声。「真っ直ぐをしっかり狙って、しっかりミートしようと。ただ、それだけです」と笑顔なき先制3ランを振り返った。「いい角度がついてくれていたので、プラスしっかり自分のスイングができてましたし、感触は良かったです」という待望の一発。ベンチ前でキャッチボールをしていた先発左腕・高橋はガッツポーズを見せ、ベンチでは主砲・村上が「やったぁぁぁぁ~!!!」と大きな声で叫ぶなどチームメートに与えた影響は絶大だった。

 22日の第1戦(神宮)では4打席4三振。23日の第2戦(同)では6打席に立つも5打数無安打に終わり、10打席連続無安打で第3戦を迎えていた。5時間3分の死闘の末ドローに終わった23日の第2戦(神宮)後に高津臣吾監督(53)は「スイング自体は強く振っているし、ファウルになることは多いですけど、まあ打ちますよ」とコメント。その指揮官の思いに応えるような1本はファンの胸にもしっかり届いた。

 ファンの応援について聞かれると「いつもたくさんのご声援ありがとうございます」とした後、「本当に、自分だけじゃなくて、プロ野球選手全員が本当にパワーの源になっていると思います。引き続き、ご声援よろしくお願いします」とヤクルトファンだけでなくプロ野球ファン全体に感謝するキャプテンシーも見せた。

 「まだ2勝しただけなので、あしたからもありますし、しっかり気を引き締めて日本一目指して頑張りたいと思います。ご声援よろしくお願いします」と最後まで冷静な声で口にした山田。日本シリーズ通算5本塁打は大杉勝男、池山隆寛の4本を上回り、球団単独最多となった。

 【山田哲人の2022年ポストシーズン全打席】
12日 阪神戦 四球、四球、空三振、中飛
13日 阪神戦 四球、二飛、左2、四球、一邪飛
14日 阪神戦 中2

22日 オリックス戦 空三振、空三振、空三振、空三振
23日 オリックス戦 四球、空三振、遊併打、三邪飛、中飛、一邪飛
25日 オリックス戦 三ゴ、二安、左本、四球、三ゴ

 【ヤクルトの日本シリーズ本塁打ランキング】
1位 山田哲人 3度目出場 5号
2位 大杉勝男 1度出場  4号
2位 池山隆寛 5度出場  4号
4位 マニエル 1度出場  3号
4位 ハウエル 2度出場  3号
4位 古田敦也 5度出場  3号
4位 村上宗隆 2度目出場 3号

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