パドレス・ダル 収穫ある終戦「悔しいと同時に満足感も」6回0/3を2失点と力投も

[ 2022年10月25日 02:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦   パドレス3―4フィリーズ ( 2022年10月23日    フィラデルフィア )

<フィリーズ・パドレス>初回、力投するダルビッシュ(AP)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(36)が23日(日本時間24日)、フィリーズとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦に先発。雨が降る悪条件で6回0/3を4安打2失点と力投もチームは逆転負けを喫し、1勝4敗で敗退が決まった。ポストシーズン(PS)は強豪のメッツ、ドジャースを破るなど快進撃を続けてきたが終戦。フィリーズは13年ぶり8度目のリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズへ駒を進めた。

 試合後のクラブハウス。7回途中4安打2失点の力投も報われなかったダルビッシュは、落ち着いた表情で口を開いた。「悔しいと同時に自分たちがここまで来たんだという満足感も(ある)。ファンの方は“何を言ってるんだ”と思うかもしれないけど。そういうところは凄くある」。マウンドと同様、冷静に心境を明かした。

 負ければ敗退の崖っ縁。気温15度で肌寒く、強い風に雨も交じってマウンドはぬかるみ「スパイク(の歯)に土がいっぱいついて踏ん張れなかった」と振り返る。それでもエースは崩れない。直球の最速は95・1マイル(約153キロ)止まりも多彩な変化球でカバー。ホスキンスに先制2ランを許した3回以外は無失点に抑えた。6回無死、昨季MVPの主砲ハーパーに初球と決め球の2度のカーブでタイミングを狂わせ、空振り三振に仕留めたのは真骨頂だった。

 救援した元阪神の右腕スアレスが8回にそのハーパーに痛恨の逆転2ランを被弾。自身の勝利投手の権利も消え、チームも敗戦したが「最高峰の舞台でみんなが勝ちたい試合をしている。打者もシーズン中と違う部分があり、凄く勉強になった」。24年ぶりのリーグ優勝はならなかったが、得たものも多い。

 36歳でも成長を止めず、メジャー11年目の今季は自己最多に並ぶ16勝。日常に瞑想(めいそう)を取り入れて精神面が落ち着き、重圧がかかる登板も「認識の問題」と平常心で投げた。PSはシーズン101勝のメッツ、両リーグトップ同111勝のドジャースといった格上を破り「選手、球団に自信がついた」と若いチームの成長も感じ取る。

 「来年またいい状態で帰ってこられるようにしたい」とダルビッシュ。カブス入団時に結んだ6年契約の最終年となる来季を、しっかりと見据えた。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪パ軍 今オフにも契約延長打診か≫18年に6年総額1億2600万ドル(約188億円)でカブスに移籍したダルビッシュは昨季パドレスにトレードで加入し、来季は契約最終年を迎える。パ軍の担当記者らは「ダルビッシュの気持ち次第」と口をそろえ、パ軍がこのオフにも契約延長をオファーすると予想する。ダルビッシュ自身は「自分はトレードされる可能性もある、(この)オフシーズンに」とジョーク交じりに語ったが動向に注目が集まる。

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2022年10月25日のニュース