張本氏がヤクルト・山田降臨期待“逆シリーズ男”から“シリーズ男”へ 激アツ日本S占う

[ 2022年10月25日 05:20 ]

張本氏がキーマンに指名したヤクルト・山田
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 熱戦続きで盛り上がりを見せている日本シリーズは、ヤクルトの1勝1分けで、25日からオリックスの本拠・京セラドームに舞台を移す。第3戦以降、それぞれが戦いを優位に進める上でのポイントはどこになるのか。本紙評論家の張本勲氏(82)がヤクルト、有藤通世氏(75)がオリックスについて、徹底分析した。

 ヤクルト打線は1番の塩見、5番のオスナの状態が非常にいい。4番の村上はオリックスバッテリーが細心の注意を払って投げているが、第1戦で平野佳から打ったように、少しでも甘く来れば一発がある。あとは3番の山田が打てば、手がつけられなくなる。

 レギュラーシーズンからだが、山田の状態は9打数無安打5三振という結果が示すように非常に悪い。タイミングが取れず、体が前に突っ込んでしまい、ワンバウンドの変化球でも振ってしまう。投手が投げる球はホームベースまで約0.4秒。バッターはこのわずかな時間でどんな球が来るかを探しながら打つのだが、山田は探しながら体も前に出てしまっている。だから、バットが止まらない。

 ただし、力のあるバッターは1本、2本出れば、一気に調子を上げてくる。そのためには打ちたい気持ちを我慢して、打球が詰まってもいいから、体重をもっと後ろに残すこと。そうすれば、投球を見極めることができ、打てるようになる。

 日本シリーズのような短期決戦では主力打者でも調子が悪ければ、勝つためにスタメンから外す監督もいる。しかし、辛抱強い高津監督は今後も山田を使うだろうし、私も外すべきではないと思う。打順も6番とかに下げて動揺させるよりも不動でいい。高津監督の信頼に応える活躍をすれば「あっぱれ」だ。

 第3戦からはホームでDH制が使えるオリックスに有利に働くだろう。それでもヤクルトは山田が本来の打撃を取り戻せば、4番の村上、5番のオスナと連動して、敵地のハンデを覆すとみる。(スポニチ本紙評論家)

 ≪シリーズ途中でスランプ脱出 97年に古田MVP≫過去のシリーズでは途中でスランプを脱出し日本一に貢献した打者がいる。72年長嶋茂雄(巨)は第3戦の3打席目まで開幕から11打席連続無安打も12打席目で初安打となる2ラン。第4、5戦では決勝打を放ちVで優秀選手賞に選ばれた。89年原辰徳(巨)は第5戦の3打席目まで開幕から18打席無安打の大不振も19打席目で満塁弾を放ち、第7戦でも2ラン。チームも開幕3連敗から4連勝し近鉄を下した。97年の古田敦也(ヤ)は4番ながら開幕2戦で9打数1安打の打率.111で打点0。出遅れたが第3、4戦で決勝ソロ、決勝二塁打を放つなど活躍しMVPに輝いた。

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2022年10月25日のニュース