ヤクルト・村上 100人斬り弾!「死ぬかと思った」8回アクシデントも“神の目”見切った

[ 2022年8月18日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2阪神 ( 2022年8月17日    神宮 )

<ヤ・神>3回2死一、三塁、村上は3点本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 やっぱり「村神様」だ。ヤクルトは17日、阪神を4―2で下して3連勝をマークした。4番の村上宗隆内野手(22)が3回に先制の42号3ランを放ち、これが決勝打になった。伊藤将司投手(26)からの一発は、通算100人目からの本塁打となった。通算150号にもあと4と迫り、連覇に向けてアーチを量産していく。

 打った瞬間、確信した。3回2死一、三塁。村上は伊藤将の内角ツーシームを完璧に捉えるとバットを放り投げ、どうだとばかりに自軍ベンチを指さした。「いい角度でいい押し込みができた」と右翼席上段に打ち込む、本塁打レース独走の42号先制3ラン。鮮やかな主砲の仕事だった。

 ベンチを指さした先には前の打者で空振り三振に倒れたサンタナがいた。普段から仲のいい英語の先生役がチャンスをつぶしかけ、「泣きそうな顔でベンチに帰ってきたので何とか打ってやろうと思った。冗談ですけどね」と笑い飛ばした。

 プロ通算146号は、通算100人目の節目となる伊藤将から放った。今季初対戦だが「映像を見ながら入り方を確認している」としっかり対応した。外角への際どいボールには苦しみ、第1打席と第3打席は見逃し三振を喫したが「積極的に振っていこう」と、内角に入ってきた球は見逃さなかった。

 「いつから始めたか覚えていないが一種のルーティン」という目の体操を打席前に欠かさない。両手を上下や左右に掲げてそこに焦点を合わせ、遠近感を確認したり、眼球の動きをスムーズにしたりすることで対応力を高める。8回2死ではネクストバッターズサークルで内山壮のファウルが強襲。「死ぬかと思った」というアクシデントにも、鍛えた動体視力を駆使し、尻もちをついてかわした。

 この日は2万1543人がスタンドを埋めた。夏休みで子供たちの姿も目立った。村上は「あれだけの拍手と歓声が響き渡るのはうれしいし、やりがいがある」と、最高の一発で応えた。

 7連敗後に3連勝をマークした高津監督は「一振りで3点取ったのだから相当大きい」と主砲を称えた。通算150号まで残り4本。現在22歳6カ月で、清原和博(西武)の22歳11カ月を抜く、史上最年少記録が見えてきた。村上は「残り試合の中で自分のパフォーマンスが出せれば達成できる」と確信する。本塁打とともにリーグトップの打点は104に伸ばし、打率はトップのDeNA・佐野を2厘差の3位で追う。最年少、そして令和初の3冠王へ。もう村上は止まらない。(君島 圭介)

 《最多は中日・柳8本》村上(ヤ)が42号先制3ラン。伊藤将(神)からは通算8打席目で初アーチとなり、プロ入り以来本塁打を打った投手がちょうど100人になった。初本塁打は18年9月16日の広島戦で岡田から。投手別の本塁打数は柳(中)の8本が最多で、これに次ぐのが青柳(神)、大貫(D)の各6本。なお、プロ野球で最も多くの投手から本塁打を打っているのは中村(西)の256人で、2位は阿部慎之助(巨)の233人、3位はローズ(オ)の228人。ヤクルトでは山田の159人が最多だ。

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