関本賢太郎氏 阪神の4回の攻撃に詰まっていた「床田攻略」の姿勢、ツーシームへの意識に見えた変化

[ 2022年7月7日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―2広島 ( 2022年7月6日    甲子園 )

<神・広>4回2死満塁、北條は同点の2点適時打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 【関本賢太郎 視点】4回の攻撃に、阪神の床田攻略への姿勢が詰まっていた。特に2死一塁から佐藤輝が打ち返した右前打、2死満塁から北條が放った左前2点打。2人は決して「詰まって打とう」とは思っていなかったはずだが、「詰まらせてもいい」という意識はあったと見る。

 この日は1試合を通じて床田のツーシームに泳がされて引っかけてゴロ…というアウトがほとんどなかった。これだけでも今までとは少し違う。150キロ前後の真っすぐに差し込まれないようにポイントを前に置くと、それよりも遅いツーシームには泳がされてしまう。それを「真っすぐには詰まってもいいから逆方向へ」という意識で行けばツーシームを拾える。この試合はチーム方針として、そういう意識で臨んだのではないだろうか。佐藤輝も北條も結果的には引っ張ったが、詰まりながらも真っすぐを安打にした。「真っすぐが来たら詰まってでもヒットコースへ」と腹をくくって、打席に臨んだ結果だろう。

 北條2打点、山本1打点で計3得点。大山と佐藤輝の中軸に得点が付き、それ以降の打者に打点が付いたのも大きい。首位独走のヤクルトは村上、山田以外の打者にも打点が多い。差は、その辺りだと思う。そういう意味でも、浮上を狙う阪神にとっては理想的な試合展開だった。(スポニチ本紙評論家)

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2022年7月7日のニュース