早くもVの灯が…阪神またあと1点、運にも見放され開幕8連敗 矢野監督「勝たないとダメなんで」

[ 2022年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-5巨人 ( 2022年4月2日    東京D )

ベンチで厳しい表情の阪神・矢野監督
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 阪神は2日の巨人戦に4―5で敗れ、セ・リーグワーストタイ記録となる開幕8連敗を喫した。首位・巨人とは早くも7ゲーム差に広がり、64年の最大6・5差という逆転優勝の“デッドライン”を超えた。矢野燿大監督(53)の苦悩の日々が終わらない。

 運にも見放された猛虎の、象徴的な幕切れだった。9回に1点差に迫り、なお1死一、三塁で打席に4番・佐藤輝。一塁走者の江越が二盗を決め、同点、逆転の絶好機をつくった。しかし…。大勢の内角直球に詰まらされた打球がハーフライナーとなり、遊撃・坂本の正面へ。打球が前に飛ぶと同時にスタートを切っていた三塁走者・近本が帰塁できず、最悪の併殺で万事休すとなった。

 「もちろんギャンブルにいっているんで。こっちの責任で、近本は悪くない」

 いわゆる「ギャンブルスタート」の指示を出していた矢野監督が責任を背負った。佐藤輝は7回の前打席ではあと数十センチで本塁打という強烈な右越え二塁打を放っており、想定外の打球だった。決して各選手の調子は悪くなくても、投打の歯車も作戦もかみ合わず、連日の惜敗。指揮官の声も消え入りそうだ。

 「そりゃあもう…勝たないとね、えー…、ダメなんで」

 近本、大山、佐藤輝ら“主役”が2安打ずつ放ち、巨人の倍の10安打を放った。中継ぎ登板した4投手は、無安打無失点リレーを見せた。課題の守乱もなし。それでも、勝てない。勝利の女神にどこまでもそっぽを向かれている。初回に2点先制しながらの逆転負けに「取れるところで…というのは、後から振り返れば絶対ある。そういうところで取り切れていないのも、もちろん影響してくると思う」と顔をしかめた。

 開幕8連敗は79年ヤクルトのセ・リーグワースト記録に並び、2リーグ制以降、開幕7連敗以上したチームの優勝はない。さらに首位・巨人とのゲーム差は早くも7に開き、チームにとっては64年優勝時の首位との最大6・5差という、もう一つの“デッドライン”まで超えてしまった。まだ始まったばかり…と言うには負債が膨らみ過ぎてきた。(山添 晴治)

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2022年4月3日のニュース