中村武志氏 敗因は初回が全て。今季初登板したガンケルは自身の開幕となった緊張感に調整不足も重なった

[ 2022年4月3日 16:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー9巨人 ( 2022年4月3日    東京D )

<巨・神(3)> 初回から4点を失い厳しい表情のガンケル(撮影・大森 寛明)
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 大型連敗中に、ヨーイドンで満塁被弾。敗因は初回が全てと言っていい。今季初登板したガンケルは自身の開幕となった緊張感に、調整不足も重なった。そこに厳しいチーム状況も加わり、三重苦のマウンドに見えた。

 本来、低めに丁寧に投げて打たせて取る投手。この日は、とんでもないボール球もあり、持ち味の制球力が陰を潜めた。中田に満塁弾を浴びたのは、外角低めを狙ったカットボールが高めに浮いた失投。四球が続いた後の初球。打者が狙ってくる場面で、打たれるべくして打たれた。いきなり大差がついたことで、巨人のルーキー・赤星をのびのびと投げさせてしまった。

 やはり、阪神ベンチには焦りを感じる。ガンケルが調整不足であっても投げさせたこと。前日も1点差の9回1死二、三塁、4番・佐藤輝の場面で、三塁走者の近本に打った瞬間に走るギャンブルスタートをさせて、遊撃へのハーフライナーで併殺に終わった。作戦として間違っているとは思わないが、無理せずに打球判断でのスタートで良かった。

 矢野監督は開幕前に今季限りでの退任を表明している。異例のことで、来年も見据えて戦うことはできない。だから、出足でつまずくことを不安視していた。負けが続くと普段通りの野球ができなくなるし、選手の士気にも影響してしまう。

 救いは、次戦から甲子園で今年初めて試合ができること。本拠地で落ち着けて戦えるし、阪神ファンも味方になってくれるはずだ。切り替える、いいタイミングにしてほしい。

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2022年4月3日のニュース