エンゼルス・大谷の最終成績は? MLB公式サイトのデータ分析担当記者が緊急予想

[ 2021年8月31日 02:30 ]

エンゼルス・大谷(AP)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(27)が二刀流で躍動する21年のレギュラーシーズンは残り31試合。エ軍の試合がなかった29日(日本時間30日)、大リーグ公式サイトでデータ分析を担当するデービッド・アドラー記者(29)が最終成績を緊急予想した。1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁本塁打&2桁勝利」に加え、大リーグ史上初の「50本塁打&25盗塁」達成も予想。最後の最後まで目が離せない。

 3月初旬、順調な大谷の調整ぶりに「20~30本塁打、10~20盗塁」と予想したアドラー氏。現状の活躍に驚きを隠さず言った。

 「野球の歴史上でも前例は存在しない。このようなシーズンはもう二度と目撃できないだろう。来年、彼が同じようなことをやらなければの話だが」

 大谷は先発投手として8勝を挙げながら、既に年間規定打席をクリア。41本塁打、89打点で2冠王争いを繰り広げると同時に、28日に20盗塁に到達した。アドラー氏はデータ面の凄さに言及する。

 「スタットキャスト(データ解析システム)の多くのデータは予想通り。打球速度、バレル(長打になりやすい打球速度と打球角度の組み合わせ)の数字はエリートのものだ。驚くべきことは、質量(確率)が伴っていること。大谷には可能だと思っていた驚異的なことを、今の彼は私が予想した以上の頻度でやり遂げている」

 15年のスタットキャスト導入以降、左打者による最速の打球速度119マイル(約191キロ)と、エンゼルス選手史上最速の本塁打(117.2マイル=約189キロ)は、いずれも大谷が記録。リーグ最高のバレル率(約25%)でもある。走っては一塁への到達スピードがDHとしてリーグ内断トツの秒速28.9フィート(時速31.7キロ)。メジャー全体でもトップの10%に入るという。

 残り31試合。アドラー氏は最終成績を予想した。「50本塁打、25盗塁、110打点。投手としては10勝、防御率3.00、150奪三振。メジャーの長い歴史でも1シーズン50本塁打&25盗塁をクリアした選手は一人もいない」。注目は50本塁打&25盗塁。アレックス・ロドリゲス(元ヤンキース)やウィリー・メイズ(元ジャイアンツ)は1盗塁足りずに達成を逃した。

 50発到達のシーンは、こう思い描く。

 「50本塁打の寸前まで迫ったところでシーズン最終週を迎えるだろう。最後の週は大谷の打席に誰もが注目し非常にエキサイティングなものになる。そしてシーズン終了間際、50号を打つとみる」

 28日のパドレス戦で右手首付近に受けた投球の影響も懸念されるが、大谷は30日(日本時間31日)のヤンキース戦で打者出場し、翌31日(同9月1日)に先発登板の見込み。まずは42号と21盗塁目、そして9勝目を狙う。(構成・杉浦大介通信員)
 
 《50ー25に「1」届かず》「50発&25盗塁」に1盗塁足りなかったのは、55年のメイズと07年のロドリゲス。いずれもパワーとスピードを兼ね備えたレジェンドだ。また、昨年殿堂入りを果たしたラリー・ウォーカー(元ロッキーズ)は、97年に1本塁打足りず。ロドリゲスを含めた「40―40」の達成者4人(他にホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アルフォンソ・ソリアーノ)も、「50―25」には届かなかった。

 ▽スタットキャスト 大リーグで15年から本格導入したデータ解析システム。選手を3次元的に撮影するカメラシステムを全30球団の本拠地に設置し、打球の飛距離、速度、角度や投球の回転数、変化量など中継映像でもさまざまな数値を視聴者に提供する。

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