責められない…阪神の絶対守護神・スアレス「あと1死」から苦しんで今季33戦目の初黒星

[ 2021年7月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー6ヤクルト ( 2021年7月1日    甲子園 )

<神・ヤ>9回、山田に中前打を打たれたスアレス。ここから満塁までピンチが広がり、勝ち越しを許した(撮影・平嶋 理子)
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 160キロで押し込んだはずの打球は無情にも左翼芝生で弾んだ。聖地の悲鳴とともに阪神・スアレスは肩を落とした。前夜と同じセーブが付かない同点の9回。2死満塁を招き、代打・宮本に決勝打を浴び、開幕から33試合目の登板で今季初黒星が付いた。

 簡単に打者を圧倒してきた普段とは違い、「あと1死」で苦しんだ。1死から山田に中前打され、村上を遊ゴロに仕留めて2死一塁。難局は乗り切ったはずだった。2球で追い込んだオスナには自らが持つ球団最速に並ぶ163キロを中前にはじき返され、代打・川端にも2ストライクから7球粘られ四球を出した。

 ヤクルト打線のしぶとさの前に気づけば追い詰められ、勝ち越し打を許したところで降板。残した走者も馬場が還され、加入2年目で自己ワーストの4失点。今季はまだ4試合目の失点で、複数失点も初めて。ショッキングな結果でも責めることはできない。

 加入後初となる3日連続のマウンド。目に見えて球速が落ちることはなかったが、直球で奪った空振りは2球しかなく、ファウルにされる場面が目立った。リーグトップを独走する23セーブをマークし、前夜にストップするまで球団新記録となる14試合連続セーブ。首位快走の原動力となっていた守護神を矢野監督もかばった。

 「年間の中ではね。完璧にいってもらいたいというのは、どっかではあるけど、そういうわけにもね。相手も全力で来る中で、こういうことも起こりうるんで。ここまでよくやってくれているんで、勝負にいった結果なんで、仕方ない」

 巨人との2ゲーム差は4月29日の1・5差以来の接近。痛恨の敗戦でも、下を向くことはない。最後まで指揮官が勝利のバトンを託す男は決まっている。(遠藤 礼)

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