ヤクルト・山田哲 事態は18日午後に動いた!背景に球団、球界への配慮

[ 2020年11月19日 05:32 ]

ヤクルトの山田哲
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 18日の午後。今シーズン途中に国内フリーエージェント(FA)権を手にしたヤクルト・山田哲と球団幹部は、都内で残留に向けた詰めの交渉を行っていた。時間にして30分ほど。シーズン終盤から何度も重ねてきた話し合いだったが、この日が最終回となった。当初から球団側が示してきた誠意に感謝し、最後まで山田哲の心は一貫していたという。

 ソフトバンク・柳田や楽天の則本に並ぶ球界史上最長タイで、球団史上初の7年契約。「長くこのチームでプレーして欲しい」という真っすぐなメッセージは、真っすぐに山田哲のハートを射貫いていた。年俸は現状と変わらぬ5億のままで、7年間で計35億円、プラス出来高とみられる。FA市場に出ればさらなる好条件を提示される可能性が高かったが、取得した権利を行使することなく残留という結論に至った。

 山田哲、小川、石山。チームは今オフ、3選手がFA権を行使する可能性を持っていた。チームの顔で打線の主軸、エース、そして守護神。2年連続最下位のチームが浮上するためには、一つも欠かすことはできない。ある球団幹部は「今年のうちは自分のチームにいる3選手を残留させることが、一番の補強になる」と真剣な表情で語っていた。それほどまでに、重要任務と位置づけられていた。

 選手たちも感じ取っていた。山田哲はFA取得直後から「僕の話が長引けば、球団に迷惑がかかるから」と周囲に明かしていた。別の関係者によれば「(21日に始まる)日本シリーズ中に自分の報道なんかで迷惑をかけたくない」という球界全体への思いもあったという。11月18日。山田哲が決断を下すには、この日がリミットであり、最も適した日だったのかもしれない。(川手 達矢)

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2020年11月19日のニュース